介護老人保健施設さくらがわ【大阪市浪速区】

介護老人保健施設さくらがわは大阪市浪速区あり、和歌山県および大阪府内で介護事業所を展開している医療法人敬英会が運営しています。

「利用者一人ひとりに合うケアを実現するために、スタッフと利用者がなじみの関係を築きやすい環境づくりを大切にしています」

こう語るのは副施設長の北谷善寛(きたたに・よしひろ)さん。北谷さんに施設運営で大切にしていることや、働くスタッフへの思いについてお話を伺いました。

全室個室ユニット型の介護老人保健施設さくらがわ

まず施設の概要について聞かせてください。

さくらがわは、平成23年に開設した全室個室ユニット型の介護老人保健施設です。入所定員は100名、一つのフロアに約20名の入所者を受け入れています。施設入所以外に、ショートステイやデイケアも取り組んでおり、「人にやさしく、全ての関わる人の質の向上を目指す」を目標に掲げ、常勤、非常勤含めて約120名の職員が働いています。

施設を運営する上で大切にしていることはなんでしょうか?

利用者さんと職員がなじみの関係を築きやすい環境にすることです。なぜならば、利用者さん一人ひとりによって適切なサポートの仕方、声掛けなどのコミュニケーション方法は全然違います。一人ひとりに向き合うためには、まずお互いのことを知りながら関係を築いていくことが重要です。

そのためにも、「なじみの関係」という視点は大切にしています。実際、職員の多くは働くフロアを固定して働くことがほとんどです。また利用者さん10名を1ユニットとしつつ、少しでも働く余裕が確保できるように人員配置の改善を重ねています。

利用者の暮らしをサポートする中で他に大切にされていることはありますか?

利用者さんが季節の変化や非日常感を得られるようにイベントを実施しています。新型コロナウイルスの影響もあり、現在は実施できていないこともありますが、これまでは様々なイベントを実施してきました。

春はお花見、夏は流しそうめん、ときには利用者さんのみならず、ご家族や地域の方々も参加できるように、施設を開放してお祭りを開催するなど、四季折々のイベントを行ってきたんです。

希望者を募って、定期的に旅行することもあります。利用者さん全員が参加することはないのですが、100名規模の施設で旅行企画も実施しているところは多くはないと思っています。

利用者さんにとって、さくらがわは、どのような場でありたいと考えているのでしょうか?

前提として、利用者さんがご自宅の生活に戻れることを目指してサポートをする場だと考えています。その上で、一時的に利用者さんを預かる場ではなく、自宅に戻って何かあったときに頼りたいと思える場所の一つでありたいですね。

「頼りたいと思える場所」を支える職員にはどんなことを大切にして欲しいと思っていますか?

当たり前かもしれませんが、利用者さん一人ひとりが何を考え感じているのか、想像することを大切にしてほしいです。そして、利用者さん一人ひとりの変化を共に味わってもらいたいと考えています。排泄がスムーズに行えたり、適量のご飯を食べられたり、ささやかかもしれないけれど何かができるようになることを一緒に喜べる人であってほしい。そのためにも、なじみの関係は重要だと思うんですよね。

職員をサポートする上で大事にしている視点はなんでしょう?

働く人一人ひとりの得意の部分を伸ばしていくことですね。利用者さんそれぞれに得意、不得意があるように、職員一人ひとりにもあると思うんです。なのでリーダーと1ヶ月に1回は振り返りの機会を作りながら、その人の合わせたサポートができるようにしています。スキルアップを目指す人に向けて、研修支援制度だったり、資格取得のための勉強会を開催したり、学ぶ機会も提供しているんです。

地域において、さくらがわという場所はどんな場所でありたいですか?

地域の中にある居場所として、どんな人でもハードルなく集まれる場所でありたいですね。そのためにも場所を提供したり、職場体験やボランティアも積極的に受け入れたり、地域のお祭りに参加して、交流の機会を増やしてきました。新型コロナウイルスの状況もあり難しい部分もありますが、場所の開き方を工夫しながら、この地域で暮らす人にとっての居場所になりたいと思っています。