福祉用具専門相談員とは?資格取得方法や仕事内容、スキルアップ方法を解説

2022-03-16 15:30:25

介護業界への就職や転職を考えている人の中には、福祉用具専門相談員の資格を取得したいと考えている人もいるのではないでしょうか。

高齢者が増加し、介護の需要が伸びている日本では、福祉用具に関する専門職の必要性も高まっています。

しかし「福祉用具専門相談員って、どこでどんな仕事をするの?」と疑問をお持ちの人もいるでしょう。

この記事では、福祉用具専門相談員の仕事内容や資格取得方法、働ける場所などを紹介します。

 

 

福祉用具専門相談員とは

福祉用具専門相談員は、国家資格の介護福祉士とは違い公的資格なので、多くの人が取得可能です。

利用者や利用者家族、ケアマネージャーから福祉用具に関する相談やアドバイスを受けて、福祉用具の選定を行うのが主な仕事です。

利用者が自分らしい生活をおくるために福祉用具は欠かせません。また、介護の必要性の高まりに比例し、福祉用具を取り扱う場所も増えています。

福祉用具を取り扱う事業所では、福祉用具専門相談員の配置が必須なので、年々活躍できる場が増えています。

 

 

福祉用具専門相談員の仕事内容

活躍の場が増えている福祉用具専門相談員ですが、具体的な業務内容を全て説明できる人は多くはないかもしれません。

福祉用具専門相談員の仕事内容は、大きく分けて4つです。それぞれ紹介します。

 

選定相談

福祉用具専門相談員は、利用者が最適な福祉用具を選ぶためのサポートをします。

病気や障がいによって、利用者の状態は異なります。また体格も一人ひとり違います。

スロープや手すりなど、自宅で利用する福祉用具もあるため、利用者の住環境も考慮する必要があるでしょう。

福祉用具専門相談員は、利用者の体調面や住環境などを考慮したうえで、最適な福祉用具を選ばなくてはいけません。

 

計画書作成

福祉用具専門相談員は、ケアマネージャーが作成したケアプランや、利用者と利用者家族の希望にそって、「福祉用具の利用計画書(福祉用具サービス計画)」を作成します。

計画を作成する際には、「福祉用具を使いどんな生活をおくりたいのか」など、利用者や利用者家族のニーズを把握することが重要です。ニーズを把握したうえで、利用者に最適な福祉用具を選び、計画書に反映していきます。

計画書を作成した後は、利用者に計画書の内容を確認してもらい、承諾を得られた段階で福祉用具のレンタルがされます。

 

適合・取り扱い説明

レンタルした福祉用具が利用者の体や、住環境に適合できるよう調整することも福祉用具専門相談員の仕事です。

福祉用具の効果を最大限発揮するには、利用者の体や住環境に合っているかどうかがポイントです。

また、福祉用具の説明が不足していたり、体へ上手く適合できていないと利用者の怪我にもつながったりするでしょう。

利用者の安全を確保するためにも、適合と取り扱い説明は重要な仕事です。

 

モニタリング(訪問確認)

福祉用具専門相談員は、福祉用具の点検や、体への適正などのチェックを兼ねたモニタリングも行います。

福祉用具を安全に利用するために、点検は必要不可欠です。また、福祉用具の使いやすさはどうか、福祉用具を使い始めたことで生活がどのように変化したのかなど、選定した福祉用具の効果があるのかを確認するために1年に2回モニタリングを実施します。

モニタリングで効果が実証できない場合、福祉用具の変更を兼ねた計画の見直しも行われます。

 

 

福祉用具専門相談員になる方法

「将来的に福祉用具専門相談員の資格を持って働きたい」「福祉用具専門相談員の資格を取って転職したい」と考えている人もいるでしょう。

ここでは、福祉用具専門相談員の資格を取得する方法を紹介します。

 

福祉用具専門相談員の資格取得方法

福祉用具専門相談員の資格は、福祉用具専門相談員指定講習を受講し、修了評価試験に合格すると取得できます。

また、福祉用具専門相談員指定講習を受講しなくても、介護福祉士や看護師、理学療法士や作業療法士などの国家資格保有者は、福祉用具専門相談員の要件を満たしていると認められるため、福祉用具専門相談員として働くことが可能です。

しかし、介護職員初任者研修や介護職員実務者研修などの資格は、制度の変更で要件に当てはまらなくなったので注意しましょう。

 

福祉用具専門相談員指定講習の内容

福祉用具専門相談員の指定講習は、講義と演習のカリキュラムで構成されています。

福祉用具専門相談員指定講習取得に必要な時間は50時間で、「福祉用具と福祉用具専門相談員の役割」から「高齢者と介護・医療に関する基礎知識」など、実務に必要な知識を網羅した内容になっています。

講義に加えて演習を受けることで、実務で必要となる知識と技術の両方を学べるので、現場で活躍できるスキルが身につきます。

 

福祉用具専門相談員指定講習の受講できる場所

厚生労働省が定めた福祉用具専門相談員指定講習会実施機関で受講可能です。

福祉用具専門相談員指定講習会実施機関は全国にあるため、自分の居住地域で受講できる場所を探してみましょう。

 

福祉用具専門相談員指定講習の受講資格

福祉用具専門相談員指定講習は受講資格が特に定められていないので、誰もが受講可能です。

学歴や実務経験なども関係ないので、「福祉用具専門相談員の資格を取得したい」と思った人全員が受講できます。

 

 

福祉用具専門相談員が働く場所

福祉用具専門相談員は、活躍できる場所が幅広いのが特徴です。

福祉用具専門相談員が働く場所は、福祉用具の販売やレンタルを行う店舗をはじめ、訪問介護事業所、ドラッグストア、福祉用具メーカーなどがあります。

利用者に直接支援を提供する訪問介護事業所は、利用者から福祉用具の相談を受けることもあるため、福祉用具の知識は重宝されるでしょう。

また、ドラッグストアのような生活用品販売店でも、介護用品を販売する店舗も増えているため、お客さんから福祉用具に関する質問をされることがあります。

福祉用具専門相談員を配置することで、お客さんに正しい知識を提供できるため、今後、資格の需要はますます高まっていくでしょう。

福祉用具専門相談員は幅広い場所で活躍できるので、自分に合った就職先が選べることは、資格取得者にとってもメリットです。

 

 

福祉用具専門相談員の給料

働く企業や施設、キャリアなどによって異なりますが、福祉用具専門相談員の平均月給は、約21万円〜28万円です。

さらに、ボーナスや残業手当も含まれると給料はより高くなるでしょう。ボーナスや残業手当などを考慮した場合の年収は、約300万円〜400万円です。

福祉用具専門相談員への就職や転職を考えている人は、参考にしてみてください。

 

 

スキルアップと転職で年収アップを目指そう

年収をアップさせるためには、スキルアップと転職がおすすめです。

福祉用具専門相談員をはじめ、介護福祉士やケアマネージャーなど、介護職にはさまざまな資格が存在します。

資格を取得することで、介護の知識とスキルが身につき、施設によっては資格手当も支給されるので、給与アップにつながります。

また、スキルアップと資格の取得により転職先の幅も広がります。

「もっと給与のいい施設で働きたい」など、現在働いている施設より待遇の良い施設で働きたい人は、積極的に資格を取得しながら転職先を探してみても良いかもしれませんね。

 

 

まとめ

ここまで、福祉用具専門相談員の仕事内容や資格取得方法、働ける場所などを紹介しました。

利用者や利用者家族、ケアマネージャーに対して福祉用具の使用に関する相談にのったり、アドバイスをするのが福祉用具専門相談員の主な仕事です。

訪問介護事業所や福祉用具の販売、レンタル店、ドラッグストアなどで働くことができ、年々活躍の場が増えている需要の高い資格です。

福祉用具専門相談員の資格を取得する講座に受講資格は特に定められておらず、誰もが挑戦できます。

福祉用具専門相談員の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか?