介護福祉士の仕事が辛くて辞めたいと思ったら。よくある悩みと解消法
2022-02-21 17:21:00
2022-04-14 11:35:45
介護職の中には、移動や外出時に車椅子を持ち上げることに不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
車椅子の基本的な操作は難しくはありません。しかし、少しの段差や溝などにつまずいてしまうこともあります。
車椅子の持ち上げに自信が持てるよう、この記事では車椅子を持ち上げる方法や階段の上り下りの注意点、キャスター上げの方法と注意点などを紹介します。
車椅子で階段を進むことは難しいため、持ち上げる必要があります。
車椅子を持ち上げる際、利用者の状態によって対応すべき方法は異なります。
ここでは、人が乗っていない場合、要介護者が乗っている場合など状況に合わせた対応方法を紹介します。
車椅子に人が乗っていない場合、車椅子の重量だけでいいので持ち上げるのが少し楽になります。
しかし、車椅子の重量は10kgを超えるものもあるため、自分の力で持ち上げられるかどうか冷静に判断する必要があります。人によっては、10kgでも持ち上げられないこともあるでしょう。
少しでも無理があると感じた場合は、スロープなどを利用しましょう。持ち上げることよりも、事故がないように車椅子を運ぶことが大切なので、決して無理はしないようにしましょう。
続いて車椅子に要介護者が乗っている場合の、車椅子の持ち上げ方を紹介します。
介護職は、車椅子に要介護者が乗っている場面に立ち会うことが多いので、車椅子の持ち上げ方をしっかり理解しておきましょう。
■ 4人以上で持ち上げるのが基本
車椅子に要介護者が乗っている場合、4人以上で持ち上げるのが基本です。
車椅子の重量に加えて乗っている人の体重も加味されるので、4人以上で持ち上げなければ危険です。車椅子の前後左右に人を配置して持ち上げることで、バランスがとりやすくなり、乗っている人が転落することを防げます。
また、車椅子の種類によっては、足部を折りたためるものや、アームレストを収納できるタイプもあります。車椅子の特徴を把握し、より力が入る持ち方で車椅子を持ち上げるようにしましょう。
■ 車椅子と利用者を別々に移動させる
要介護者を車椅子ごと移動させるのが難しい場合は、車椅子と要介護者を別々に移動させましょう。
一人の介護職が要介護者を背負い、他の介護職が車椅子を運ぶのです。
要介護者を一人の職員が背負うことで車椅子が軽くなり、バランスがとりやすくなるため、持ち上げやすくなる点がメリットです。少人数で移動することができるでしょう。
ただ、無理して背負うと階段で転んでしまうことにもつながるので、自分の力と要介護者の体型や体重を冷静に判断しましょう。
車椅子を持ち上げて階段を上り下りする際、注意点がいくつか存在します。
階段で転んで怪我をしないように、ここで階段の上り下りの方法と注意点を把握しておきましょう。
車椅子を持ち上げて階段を上る方法は以下の通りです。
1.ブレーキがかかっていることを確認し、ステップバーを踏みキャスターをあげる
2.最低4人で車椅子の前後左右を囲み持ち上げる
3.前2人は、アームレストやレッグレストのパイプ、後ろ2人はハンドグリップやハンドリムをつかむ
4.声を掛け合いながら足元に注意し、可能な限り車椅子が傾かないように注意してゆっくり進む
転倒すると乗っている人、介護職どちらも怪我をする危険性があるので、注意しましょう。
車椅子を持ち上げて階段を下りる方法は、上る際とあまり変わりはありません。
上る方法と異なるのは、車椅子を後ろ向きで下ろすところです。
車椅子を後ろ向きで下ろす際、介護職はより足元が不安定になるので、上る時よりもさらに丁寧にゆっくり進むよう心がけましょう。
車椅子には、キャスター上げという操作方法があります。
人が乗っている状態の車椅子を操作する際、キャスター上げを知っていることで、操作はより簡単になります。
ここでは、キャスター上げについて、階段の上り方・下り方、溝を超える方法を紹介します。
キャスター上げとは、車椅子の前輪を浮かして後輪のみでバランスを取る方法のことです。キャスター上げができると、段差や溝を乗り越えるのがとても楽になります。
キャスター上げをする際は以下の順番で行いましょう。
1.乗っている人にキャスター上げすることを伝える
2.ステッピングバーを踏みながらハンドクリップを手前にひいて、キャスターをあげる
キャスター上げでは、ステッピングバーを踏む際体重をかけすぎて、車椅子が後ろに倒れないように注意しましょう。
キャスター上げを利用し、段差を上がる方法は以下の通りです。
1.階段の手前で乗っている人にキャスター上げすることを伝える
2.キャスター上げをしてバランスを保ち、前進する
3.キャスターを段の上にのせて後輪をあげる
以上がキャスター上げで階段を上がる方法です。
キャスターを段の上にのせる際、勢い余って乗っている人が前のめりに倒れないように注意しましょう。
キャスター上げを利用し、段差を下りる方法は以下の通りです。
1.後ろ向きになり、乗っている人に声をかけて後輪から段差を下りる
2.後輪が降りたらキャスターを上げて後ろにひく
3.キャスターを静かに下ろす
前向きで降りると段差によっては、乗っている人が前のめりに倒れる危険があるため、後ろ向きで下りることを意識しましょう。
キャスター上げで溝を超える方法は以下の通りです。
1.溝の手前についたら、キャスター上げで溝を超えることを伝える
2.キャスターを上げて、バランスを崩さないように注意し前進する
3.溝を超えたらキャスターを下ろし、後輪を浮かしながら溝を超える
後輪で溝を超える際、バランスを崩して乗っている人を転倒させないように注意しましょう。
ここでは、車椅子で移動する際の注意点を紹介します。
車椅子での移動することに自信がない人は、ここで注意点を理解し実際の支援に活かしていきましょう。
車椅子は移動時以外、ブレーキをかけるように意識しましょう。
車椅子は少しの傾斜や反動で動いてしまうため、乗っている人が座っている時や立っている時は常にブレーキをかけた方が安全です。
ブレーキをかけていないと、少し目を離した隙に車椅子が動き出して事故につながる可能性もあります。
事故を起こさないために、移動時以外は必ずブレーキをかけることを心がけましょう。
乗っている人に対して適切な声かけをすることも大切です。
段差や溝を乗り越える際、いきなりキャスターを上げられると、乗っている人はびっくりしますよね。
「今から動きますよ」「目の前に段差があるので車椅子を少し上げますね」など、動作をする前には必ず声かけを行い、乗っている人が安心できるように配慮しましょう。
ここまで、車椅子を持ち上げる方法や階段の上り下りの際の注意点、キャスター上げの方法と注意点などを紹介しました。
車椅子で階段を上り下りする際は、事故のリスクを軽減するために4人以上で行うようにしましょう。また、少しの段差や溝がある時は、キャスター上げを行うと楽に乗り越えられます。
車椅子の正しい操作方法を理解し、日常の支援に活かしてくださいね。