介護職の求人はどう選べばいい?仕事が続く職場の選び方
2022-01-24 13:19:47
2022-03-07 15:37:10
介護職が持つ知識やスキルは、提供できる介護サービスの質に直結します。
利用者により良い介護サービスを提供するために、介護技術の向上を目標に掲げている介護職も少なくないはずです。
そのような介護職に向けて、本記事では、歩行介助の種類や目的、注意点について解説をします。
まずは、歩行介助の目的について理解を深めましょう。
歩行介助の目的は、以下の3つです。
■歩行時の安全確保
歩行介助が必要な利用者は、歩行時にふらついたり、うまく足を出せなくなったりと、転倒するリスクがあります。歩行介助の目的の一つは、利用者が転倒によるケガをしないよう、歩行時の安全を確保することです。
■歩行機能の維持
歩行が不安定という理由で、歩くことを避けていては、歩行機能がますます低下していきます。介護職は、利用者の残存機能を維持することも意識しましょう。
■生活への意欲向上
「トイレまで歩いて行ける」「施設の外を散歩することで季節を感じられる」など、自分の足で歩けることで、利用者の生活への意欲は向上します。
歩行介助は利用者の歩行状態や、移動距離、歩行器具の有無により様々な種類があります。
以下より、基本的な3つの歩行介助を紹介します。
はじめに、見守り歩行について紹介します。
見守り歩行介助に向いている利用者は、自力で歩行できるけれど、自分一人で歩行するには、少し不安がある方です。
介助者は利用者の斜め後ろの位置から、付き添うように歩行します。もし利用者がバランスを崩しそうになった場合、すぐに利用者の体を支えられる位置に常にいることが大切です。
また、杖を使用している場合は、杖の反対方向から介助をします。片麻痺の方の場合は、麻痺側から介助をしましょう。
次に、寄り添い歩行について解説します。
寄り添い歩行は、利用者の横に介助者が付き添い、体を支えながら歩行をする介助方法です。利用者の利き手と反対側の位置から、介助者は利用者の脇の下、もしくは腰を支えながら一緒に前を向いて歩行します。
また、利用者によっては、バランスを崩しやすい方向が決まっていることもあります。そのような場合は、利き手にかかわらずバランスの崩しやすい方向から体を支えましょう。例えば、片麻痺の方の場合では、麻痺側から体を支えることで転倒を防げます。
この方法のメリットは、介助者、利用者ともに前を向いていることです。そのため、双方歩きやすく、比較的長い距離を歩く場合にこの方法は適しています。
3つ目に紹介する歩行介助は、手引き歩行です。
手引き歩行とは、利用者と介助者が向き合って、利用者の両手を支えながら歩行する歩行介助です。両手を取り合って支える方法と、利用者の肘から両手で支える方法があります。しっかりと体重を支える必要のある利用者は、肘から両手で支えるといった使い分けが必要です。
手引き歩行のデメリットは、介助者が後ろ向きに歩くため、介助者がバランスを崩す可能性があることです。そのため、長い距離の歩行介助には向いていません。車いすからトイレのような、短い距離の歩行介助で使いましょう。
歩行介助では、利用者が安全に移動できるよう注意を払わなければなりません。
具体的に注意するべき点は以下の3項目です。
歩行介助のときは、歩行動線に危険がないかどうかをチェックをしましょう。
例えば、歩行動線が以下のような状態であれば利用者の転倒リスクがあります。
・床に物が落ちている
・床が滑りやすくなっている
・歩行動線に段差がある
・電源コードなどがある
このような歩行の邪魔となるものは、普段から注意を払い、気づいたときに整理整頓しましょう。
2つ目の歩行介助の注意点は、補助器具のメンテナンスを行うことです。
杖や歩行器、シルバーカーなどの歩行補助器具は、利用者の体を支えるための大切な道具です。破損や不具合があれば、適切に使用できず利用者のケガにつながる恐れがあります。定期的にメンテナンスを行い、破損や不具合がないかどうかをチェックすることが必要です。
歩行介助の際は、ボディメカニクスを活用しましょう。特に、ボディメカニクスの「介助者と被介助者の重心を近づける」を意識して介助することで、利用者がバランスを崩した際に転倒を防げるでしょう。
ただし、ボディメカニクスの「足を開いて支持基底面を広げる」などは、かえって利用者の歩行の邪魔になることもあります。
歩行介助を行う際は、介助者と利用者の息が合わないと、利用者が歩きにくいと感じることがあります。
そのような介助を続けていると、場合によっては、利用者から介助を拒否されることもあるでしょう。そうならないためにも、歩行介助では利用者と息を合わせて、利用者が歩きやすいように配慮することが必要です。
しかし、「利用者と息を合わせるのは難しい」と感じる介護職もいることでしょう。
そこで、具体的に利用者が歩きやすくなる、歩行介助のポイントを3つ紹介します。
1つ目の歩行介助のポイントは、相手のペースに合わせることです。
利用者は様々な病気や症状により、それぞれ歩くペースは違います。ゆっくりであっても一定のリズムで歩ける方もいれば、リズムが不規則になる方もいます。介護職は、利用者それぞれのペースに合わせて歩くことを意識しましょう。
そして、歩行介助中に利用者が疲れてきたと感じた場合は、適度に休憩を入れてください。無理に歩行を続けることは利用者にとって負担が大きく、次回から歩行を嫌がることにもなります。
また、介護職はどんなに業務が忙しくても、利用者を急かすような歩行介助をしてはいけません。
急かすような歩行介助をした場合に、利用者の足がついてこられず転倒することもあります。このような理由で、利用者にケガをさせてしまうと、利用者からの信頼を失い、他の業務にも支障がでるので注意しましょう。
歩行介助のポイント2つ目は、適切な声かけをすることです。
歩行介助での声かけは、利用者に合わせて行いましょう。
例えば、「右、左、右、左」のように出す足を声かけすると、リズム良く歩ける方もいます。逆に、このような声かけを不快に感じる利用者もいます。そのような方には、「あと5mですよ」のように残り距離や、「今日はうまく歩けていますね」と褒めるなどして、歩く意欲を引き出すような声かけが有効でしょう。
最後に紹介する歩行介助のポイントは、介助者の立ち位置です。利用者の歩行の邪魔とならないように注意しましょう。
介助者が利用者の歩行の邪魔になってしまっては、本末転倒です。
具体的な立ち位置は、見守り歩行であれば斜め後方、寄り添い歩行であれば横、手引き歩行であれば前方です。このように、介助方法や利用者の歩き方によっては、適切な立ち位置は変わります。
立ち位置に悩んだときは、利用者がバランスを崩しても支えられ、かつ歩行の邪魔にならない立ち位置を意識すると良いでしょう。
介護職にとって介護技術は、利用者の安全を確保するために重要なスキルです。
そのため、介護職は介護技術の向上を目指しましょう。
介護技術を向上させるためには、研修や講習に積極的に参加することがおすすめです。研修や講習で新たな介護技術を習得できることもあれば、新たな介護用品と出会えることもあるはずです。
また、介護技術の向上は、利用者だけではなく自分自身にもメリットがあります。それは、適切な介護技術が自分自身の体を守ってくれることです。長く介護職を続けるためにも、スキルを磨きましょう。
介護技術の向上を目指す介護職に向けて、歩行介助の種類や目的、注意点を解説してきました。
歩行介助で重要なポイントをまとめると、以下となります。
・目的を理解する
・立ち位置に注意する
・安全性に配慮する
これらを把握したうえで、利用者に合わせた歩行介助を意識しましょう。
また、歩行介助以外にも、介護職に必要な介護技術は多数あります。
その介護技術を向上させるためには、介護職向けの研修や講習がおすすめです。介護技術だけではなく、介護用具の使用方法も学ぶことで双方にとって負担の少ない介護が実現できるでしょう。