新人教育やスキルアップに活用しよう!介護業務に関するチェックリスト

どのようにして介護職のスキルアップや新人教育を行えば良いのだろうか、とお悩みの担当者の方はいませんか?

そのような方におすすめなのが、「介護業務に関するチェックリスト」を活用することです。厚生労働省は、介護職のスキルアップを促進するために「評価チェックシート」を公開しています。

参考:厚生労働省「介護技術に関する評価チェックシート」

https://www.mhlw.go.jp/

この評価チェックシートをもとに、介護施設の方針に沿ったチェックリストを作成・活用することで、介護職全体のスキルアップを図ることができるでしょう。

それでは、介護業務に関するチェックリストの活用法や、評価項目について見ていきましょう。

 

 

介護業務に関するチェックリストの活用法

介護業務に関するチェックリストの主な活用シーンは、「自分の介護技術のチェック」「新人の介護技術のチェック」の2つです。

それぞれのシーンで活用するメリットを紹介します。

 

自分の介護技術をチェックする

介護業務に関するチェックリストの活用方法の1つ目は、自分の介護技術を評価することです。これには、4つのメリットがあります。

■一定の評価基準でチェックできる

チェックリストを用いることで、自分の介護技術を一定の評価基準でチェックできます。自分自身の介護技術がどの程度のレベルなのかを把握するのに役立ちます。

 

■介護技術を数値化できる

介護技術は、チェックリストを用いることで数値化できます。他職員との比較や、自分の次の目標設定にも役立ちます。

 

■得意・不得意を把握できる

チェックリストを用いて自分の介護技術を評価することで、自分の得意・不得意な業務が把握できます。不得意な業務を克服することで、介護職としてさらなるステップアップを目指すことができるでしょう。

 

■スキルアップが実感できる

年に1、2回定期的にチェックすることで、前回のチェックリストと比較することができます。「以前はできていなかったことが、今回はできるようになった」といったように、自らのスキルアップが実感できます。

 

新人教育に活用する

介護業務に関するチェックリストの活用シーンの2つ目は、新人教育です。新人教育にチェックリストを活用するメリットは、以下の3つです。

■新人教育の進み具合を把握できる

教育担当職員が、新人の介護業務のチェックリストを更新することで、新人教育の進み具合を他の職員も把握できます。

また、変則勤務のある介護施設であれば、複数人の教育担当者が新人を指導することも珍しくありません。このような場合に問題となるのが、「他の担当がどこまで教えたのかわからない」ことです。

何度も同じことを教えてしまうのは、時間のロスになりますし、頻度の低い業務であれば指導し忘れることもあるかもしれません。

そのようなミスを防ぐためにも、チェックリストを介して複数の教育担当者が実地指導の状況が把握できることは大切です。

 

■新人の対応可能な業務がわかる

教育担当者による新人の評価があれば、他の職員は新人がどの業務に対応できるかがわかります。

「指導されていない業務を任された」などの新人の不満を防げますし、「何を頼んで良いのかわからない」という他の職員の悩みも解決できます。

 

■新人の得意・苦手な業務がわかる

新人・教育担当者ともにチェックリストの評価を行うことで、新人の得意・不得意な業務を把握できます。

これにより、教育担当者は、新人の不得意な業務の指導に注力できます。また、新人は得意な業務に対して自信を深められるでしょう。

 

 

基本的な介護技術【チェックリスト】

チェックリストの項目として欠かせないのは、基本的な介護技術についてです。

基本的な介護技術は、利用者に対して適切な介護サービスを提供するために必要なスキルだからです。評価項目は、「食事介助」「入浴介助」「排泄介助」「更衣介助」「移動介助」の5つがあります。

これら5つの評価項目について紹介します。

 

食事介助

はじめに、食事介助の評価項目についてです。

利用者に食事を楽しんでもらうためにも、介護職は安心・安全に提供できる食事介助のスキルを身につけていることが重要です。そのため、食事介助の項目は、以下をチェックポイントにしましょう。

・配膳・下膳ができる

・適切な食事介助ができる

・自立支援につながる食事介助ができる

・食器・自助具の特性を理解している

・誤嚥の危険性について理解している

 

入浴介助

次は、入浴介助の評価項目についてです。

お風呂場は、床が濡れているため転倒しやすく、温度の変化により利用者の体調急変が起きやすい環境です。そのため、介護職は体や頭をきれいに洗えるように介助することはもちろんですが、事故防止にも努めなければなりません。

入浴介助の項目は、安全面にも配慮できるように以下の評価項目が重要です。

・入浴時の事故防止を心掛けている

・入浴時・入浴中の体調観察ができる

・洗身介助ができる

・洗髪介助ができる

 

排泄介助

排泄介助で大切なことは、利用者の尊厳を守りながら介助をすることです。

また、利用者によって排泄方法は様々で、トイレで可能な方もいれば、オムツを利用している方もいます。利用者の状況に対応できるスキルも求められます。

このため、排泄介助のチェックリストのポイントは、以下の通りです。

・適切な声掛けができる

・排泄用具を適切に使用できる

・オムツ交換を適切にできる

・オムツの種類・サイズを適切に使用できる

・尿漏れ・便漏れに対処できる

 

更衣介助

更衣介助の基本は、「脱健着患」と呼ばれる方法を守ることです。

「脱健着患」とは、衣類を脱ぐ際には健康な足・手から行い、衣類を着る際には麻痺のある手・足から行うという意味です。

この方法を実践するために、利用者によってどちらが健康で、どちらに麻痺・拘縮があるかなどの把握が重要となります。

更衣介助のチェックリストのポイントは以下の通りです。

・脱健着患を理解している

・利用者の健側・患側を把握している

 

移動介助

移動介助では、本人の能力をできる限り活用する意識が必要です。

利用者のできる部分まで介助すると、既存能力が衰えてしまい自立支援につながらないためです。

また、移動介助で用いる移動補助具は「車いす」「歩行器」「杖」「シルバーカー」など様々な種類があります。これらの使用方法についての理解も必要となります。

移動介助については、以下の項目がチェックポイントといえるでしょう。

・移動補助具を適切に扱える

・安全に移動介助を行える

・自立支援を理解した介助が行える

・片麻痺などの障害に適した介助を行える

 

 

接遇マナー【チェックリスト】

基本的な介護技術の他に、チェックリストの項目で重要なのが接遇マナーです。

適切な接遇マナーは、利用者の尊厳を守ることにつながり、利用者との信頼関係を構築するのに役立ちます。

接遇マナーの重要な評価項目は、「言葉遣い」「身だしなみ」「あいさつ」の3つです。それぞれについて紹介します。

 

言葉遣い

接遇マナーの1つ目の評価項目は、言葉遣いです。

介護施設の利用者は、ほとんどの場合、介護者よりも年長です。人生の先輩である目上に方に対して、ふさわしい言葉遣いが必要です。

「馴れ馴れしい」「利用者を見下している」と感じる言葉遣いは、利用者の尊厳を侵害している可能性があります。そのような言葉遣いをしていないかどうか、評価項目に加えましょう。

 

身だしなみ

次に必要な接遇マナーの評価項目は、身だしなみです。

適切な言葉遣いをしていても、職員の身だしなみが乱れていては利用者や家族に良い印象を与えられません。そこで、「適切な服装」「適切な髪形」など介護施設の方針に沿った身だしなみができているか評価項目に追加してチェックします。

 

あいさつ

最後にチェックしたい接遇マナーの評価項目は、あいさつです。

あいさつは、利用者とのコミュニケーションの第1歩です。毎日あいさつを交わすことで、顔色・表情などから体調の変化にも気付けるようになります。

「相手の目を見て行う」「相手の名前を添える」「聞き取りやすい声量で行う」「にこやかな表情で行う」などが評価ポイントとなります。

 

 

まとめ

「介護業務に関するチェックリスト」の活用は、新人教育だけではなく、介護職全体のスキルアップに役立ちます。

厚生労働省の「評価チェックシート」をもとに、「基本的な介護技術」「接遇マナー」など介護施設の方針に沿った評価項目を追加し、より効果的なチェックリストを作成してくださいね。