介護技術には根拠がある。根拠を知ってスキルを向上させよう

介護職の中には、「もっと介護技術を向上させたい」と思っている人もいることでしょう。

介護技術を高めると、利用者一人ひとりの支援に要する時間が短くなるだけではなく、利用者の満足度も高くなるなど、メリットばかりです。

しかし、どのように介護技術を向上させれば良いのかわからないと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

この記事では、介護技術には目的と根拠があることや、介護技術を向上させるための方法などを紹介します。

 

 

介護技術には目的と根拠がある

介護技術には必ず目的と根拠が存在します。

「なんでこの順番で体を拭かないといけないんだろう」「利用者と友達みたいに話したらダメなの?」など、日常業務の中で疑問に感じる支援もあるのではないでしょうか。

日常業務で当たり前のように行っている介護の中にも、実は目的と根拠があります。

例えば、女性利用者の体を清拭する際は、肛門から陰部に向けて拭いてはいけないなどです。この背景には、肛門に付着している細菌が陰部に入ることを防ぐため、という根拠があります。

当たり前に行っている業務の目的と根拠を具体的に理解できるようになると、介護技術が向上するでしょう。

 

 

介護技術の根拠の例

介護技術の根拠には、他にどのようなものがあるのでしょう。

ここでは介護技術の根拠の例を3つ紹介します。根拠を理解して、介護技術の向上にお役立てください。

 

ボディメカニクスの原理

ボディメカニクスとは、体の構造や力学的原理を利用した介護技術のことです。ボディメカニクスの原理を理解すると、少ない力で効率よく力を発揮できるようになり、身体的疲労が軽減されます。

介護経験が浅い人は、「利用者の体をどの方向にどれくらいの力で動かしていいのか」という点で悩むこともあるのではないでしょうか。

介護職は肉体労働の一面があるため、身体的疲労に悩む人が多いです。自分の体を効率よく使えないと身体的疲労がたまり、腰痛につながることもあるでしょう。

腰痛防止や効率よく仕事をするためにも、ボディメカニクスの原理を理解することは重要です。

 

コミュニケーション

コミュニケーションの根拠も理解しておきましょう。

介護職は利用者や利用者家族、他職員などとコミュニケーションを取り合う業種です。

特に利用者と関わるうえで、「どうやってコミュニケーションをとるのがいいのかな」と迷った経験は、介護職の誰もが持っているのではないでしょうか。

前提として、利用者は利用料を支払い施設サービスを利用してくれるお客様ということは忘れないようにしましょう。

そのように考えると、敬語も使わず友達感覚で会話をするのはよくありませんよね。当たり前のことですが、敬語を使い、利用者の立場に立って、寄り添うことを意識したコミュニケーションが大切です。

利用者との関係ができると、どうしても砕けたコミュニケーションをとってしまうこともありますが、今一度サービスを利用してくれるお客様という認識を持ちましょう。

 

入浴や排泄、食事

入浴や排泄、食事など日常支援の目的や根拠を知っておくことも重要です。

「どうしてこの体勢で食事を摂らないといけないのか」などと、入浴や排泄、食事介助をする中で疑問を感じる人もいるでしょう。

例えば、利用者が一口食べたあと、口腔内に食事が残っていないことを確認してから口に食事を運ぶというケースがあったとします。

目的は利用者に美味しくご飯を食べてもらうこと、むせないように安全に食事を摂ってもらうことです。

嚥下機能が低下している利用者の口にご飯を入れすぎると、むせたり誤嚥を起こしたりするリスクがあるため、一口ひとくちゆっくり食事を提供することが必要なのです。

上記のように、入浴や排泄、食事介助で疑問に思うこともあるでしょう。一つひとつ疑問を解消し介護技術の向上を目指してくださいね。

 

 

介護技術を向上させる方法

ここからは、目的や根拠に注目して介護技術を高める方法を紹介します。

介護技術を高めたいけど、具体的な方法がわからない人は参考にしてみてください。

 

職場のマニュアルの根拠を考える

まずは職場のマニュアルの根拠を考えてみましょう。

介護施設は、特別養護老人ホームや老人保健施設などさまざまな種類の施設があり、施設の種類によってルールは大きく異なります。

基本的に職場のマニュアルに基づいて仕事を行いますが、マニュアルに記載されている支援や業務内容の根拠についてまで深く考えている人はあまり多くはないでしょう。

同じ施設に長期間所属していると、マニュアルの内容が当たり前のように感じてしまいますが、今一度職場のマニュアルに目を通し、一つ一つの動作や業務の根拠について考えてみましょう。

 

講習や研修、勉強会に参加する

講習や研修、勉強会に参加することも、介護技術の向上に役立つでしょう。

特に職場で講習や研修、勉強会が行われる場合は、その時間を有意義なものにしてください。

施設外で行われる講習では、幅広い介護の問題から取り扱う内容が決定されますが、職場の講習では利用者支援に関係が深い題材が取り扱われることがほとんどです。

その時間内に学びが得られると、知識や技術を実戦で活かせるので定着しやすいです。

求めている内容と異なる題材が取り扱われることもありますが、自分自身のスキルアップにつながったり、利用者のためになると思って真剣に受講しましょう。

 

本や動画を見て実践する

本や動画の中にも、介護に関する有益な情報があります。

ただ、有益な情報に出会うためには、自分の日常業務で活用できる本や動画を選んで学ぶことが求められるため、主体的に行動しなければなりません。また、本や動画でインプットした内容は実践しないと身につきません。

本や動画を見ただけで満足してしまう人もいるかもしれませんが、自分の知識や技術に落とし込めるようにどんどん実践していきましょう。

 

大会に出場する

介護技術を競う大会に出場してみるのも良いでしょう。

大会には、介護職はもちろん高校生や大学生など多くの人が出場しています。普段関わらない人とも競い合える環境は、大いに刺激になるでしょう。

大会で良い成績を残したいというモチベーションは、介護技術の向上に役立ちます。

 

資格を取得する

介護技術を高めるには、資格を取得するのもおすすめです。

資格に向けた座学や演習などを通じて、新しい知識や技術を取得できるでしょう。

介護職は無資格からでも挑戦できる職種なので、現在無資格で働いている人もいますが、「もっと介護について詳しくなりたい」「介護技術を向上させたい」という人は、まずは介護職員初任者研修を取得し、介護職員実務者研修や介護福祉士へステップアップすることを目指しましょう。

資格手当が支給されることもあるので、仕事のモチベーションアップにもなりますよ。

 

 

根拠を知ってスキルを向上させよう

介護技術を向上させるためには、その動作の背景となる根拠を知ることも大切です。

「なぜこの支援をしないといけないの?」などと疑問を持ったまま支援をすると、モチベーションが上がらず、スキルを向上させたいという感情も起きなくなってしまいます。

業務の中で疑問に感じていることや根拠がわからないものは、講習や研修に参加する、職場の先輩に聞くなどし、自分からアクションを起こして根拠を理解していきましょう。

 

 

まとめ

ここまで介護技術に目的と根拠があることや、介護技術を向上させるための方法などを紹介しました。

介護技術を向上させるには目的と根拠の理解が大切です。

支援一つひとつには明確な目的と根拠が存在します。目的や根拠を理解したうえで、講習や研修に参加したり、本や動画でのインプットを行ったりすると、より介護技術を定着させやすくなります。

介護技術を高められるように、目的と根拠を意識してみてくださいね。