介護業界の転職で成功するコツは?後悔しないためのチェック項目を紹介
2022-03-07 15:31:00
2022-03-07 15:45:58
これから介護士を目指すなら、介護士に人気の就職先や、年収の高い介護施設はどこかを知りたいと思いませんか?
介護士のメリットの1つは、豊富な種類や施設数の中から自分にあった介護施設を選べることです。そのメリットを有効に活用するためには、介護施設への知識を深めておくことが重要です。
本記事では、介護士に人気の介護施設や、介護施設別の給与額などを紹介します。介護士を目指す方は、就職先選びの参考にしてください。
介護士の人数は、2019年の時点で210.6万人。2009年から2019年の10年で、約70万人も増えています。
参考)2019年 厚生労働省「介護職員数の推移」
https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/000804139.pdf
介護士の仕事が人気な理由を3つ紹介しましょう。
介護士は、高齢者の生活に寄り添い、サポートする仕事です。
そのため介護士は、利用者やその家族から「ありがとう」と感謝されることが多くあります。自分が提供した介護サービスに対して感謝されると、「人の役にたっている」と実感できるのが、介護士の大きな魅力です。
また将来性があることも、介護士の仕事の利点の一つでしょう。
介護士は景気に左右されにくい職業で、今後も需要が増加していくことが見込まれています。
具体的に、2025年に約243万人、2040年に約280万人の介護士が必要になると試算されています。さらに、年収についても処遇改善手当などにより年々増加傾向にあります。
参考)2021年 厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000207323_00005.html
介護士には働き方が選べるというメリットもあります。
介護施設には、様々な種類があります。「短時間からでも仕事がしやすい訪問介護」や、「日中だけ働けるデイサービス」など、ライフスタイルに応じて働き方が選べるのも介護士ならではです。
就職先として介護士に人気の介護施設は、以下のとおりです。
・訪問介護事業所
・デイサービス
・特別養護老人ホーム
ここからは、これらの施設の人気の理由や特徴を解説します。
訪問介護事業所は、在宅で過ごしている高齢者の身体介護や生活援助を主に行います。
訪問介護員が人気の理由は、料理や洗濯、掃除などの家事の経験を活かせる生活援助が仕事内容に含まれているからです。
また、「数時間単位の短時間の勤務」や「特定の曜日だけの勤務」など、個人の都合に合わせた勤務がしやすいのも人気の理由です。
デイサービスは夜勤もなく、変則勤務も少ないため、ワークライフバランスの良い職場ともいえます。
土日、お盆、お正月などの連休を家族で過ごしたい、趣味の時間として使いたい方にはおすすめの職場です。
特別養護老人ホームは夜勤があるため、他の介護施設と比べ高い給与が人気の理由です。介護士にとって夜勤は、夜勤手当があるため給与を上げる1つの手段です。
介護士として働くときに、気になるのは年収などの報酬ではないでしょうか。
よく「介護職は給料が安い」という言葉を耳にするかもしれませんが、実際には処遇改善手当などにより、介護職の給料は改善傾向にあります。
しかし、介護施設によって給与や給料に大きな違いがありますので、介護施設を選ぶ基準として知っておくと良いでしょう。
参考)2020年 厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」
常勤職員の平均給与額について紹介する前に、「給与」と「給料」の違いを簡単に説明します。
「給料」は、「基本給のみ」のことです。そして、「給与」は基本給に残業代や各種の手当が加算され、会社から支払われる報酬の「総額」を表しています。
それでは、常勤職員の平均給与額を介護施設別で紹介します。
1位:介護老人福祉施設 350,430円
2位:介護老人保健施設 338,920円
3位:特定施設入居者生活介護事業所 322,020円
4位:介護医療院 312,600円
5位:訪問介護事業所 306,760円
平均給与額の上位は、入所施設や病院などの夜勤を必要とする施設が多く占めています。
介護施設別で最も給与が高いのは、介護老人福祉施設、つまり特別養護老人ホームで、月給が35万円を超えています。
次に、常勤職員の平均給料額を介護施設別で紹介します。
1位:介護老人福祉施設 191,530円
2位:訪問介護事業所 191,530円
3位:通所介護事業所 180,540円
4位:特定施設入居者生活介護事業所 180,500円
5位:介護老人保健施設 177,670円
平均給料額でも1位は、介護老人福祉施設である特別養護老人ホームでした。
平均給与額・平均給与額を見比べると、夜勤の有無の違いが大きく給与に影響することがわかります。
訪問介護事業所・通所介護事業所は働きやすいですが、夜勤がない分、給与が入所施設よりも低くなる傾向にあります。
最後に、非常勤の平均時給を介護施設別で紹介します。
1位:訪問介護事業所 1,260円
2位:特定施設入居者生活介護事業所 1,040円
3位:介護老人保健施設 1,030円
4位:介護療養型医療施設 1,020円
5位:介護老人福祉施設 1,010円
パートなどの非常勤の平均時給が高いのは、訪問介護事業所です。他の介護施設と比べても、時給が群を抜いて高いことがわかります。
「働きやすさ」「時給の高さ」などを考慮すると、非常勤で働くには訪問介護事業所がおすすめだと言えます。
介護士は、資格を取得することでキャリアアップを目指せる職種です。
キャリアアップに役立つ、介護士に人気の資格は以下の4つです。
1つ目の資格は、介護福祉士です。
介護の資格で、唯一の国家資格である介護福祉士は、例年8万人の介護士が目指しています。第33回の介護福祉士国家試験では、84,483人の介護士が受験し、59,975人が合格しました。
介護士として働きながら介護福祉士の取得を目指すためには、「実務経験ルート」が一般的です。このルートに必要な受験資格は、「3年以上の実務経験」に加えて、「介護福祉士実務者研修の修了」となります。
介護福祉士が人気の理由は、資格手当による給料アップや、転職に有利となることです。
参考)2021年 厚生労働省「第33回介護福祉士国家試験合格発表」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17324.html
介護士に人気の2つ目の資格は、社会福祉士です。
社会福祉士とは、福祉サービスを必要としている方への相談援助をするための国家資格です。
社会福祉に関する専門的な知識が必要となるため、「人体の構造と機能及び疾病」「心理学理論と心理的支援」などの計19科目から出題されます。
出題範囲が広いこともあり、社会福祉士は介護福祉士の取得に比べて難易度が高いといえます。2021年の介護福祉士の合格率が71.0%なのに対し、社会福祉士の合格率は29.3%でした。
社会福祉士の受験ルートは学歴や実務経験などにより、12のルートがあります。社会福祉士を目指す場合には、ルートによって養成施設等の通学が必要となるため、自分の受験ルートを確認してください。
参考)2022年 公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験」
http://www.sssc.or.jp/shakai/shikaku/route.html
介護士に人気の資格に、ケアマネージャーがあります。
ケアマネージャーの仕事内容は、サービス事業者と利用者の橋渡しで、仕事内容にケアプランの作成などがあります。
ケアマネージャーの主な仕事場所は、居宅介護支援事業者、特別養護老人ホーム、地域包括支援センターです。
ケアマネージャーになるためには、まず「介護福祉士」「社会福祉士」のどちらかを取得します。その資格登録より5年以上かつ、900日以上の勤務日数をクリアできるとケアマネージャーの受験資格が得られます。
参考までに、2021年のケアマネージャーの合格率は、23.3%でした。
参考)2021年 厚生労働省「第24回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」
最後に紹介する資格は、認知症介助士です。
介護施設では、認知症の方が多く利用されています。そのため、認知症に関する正しい知識や、対応方法を学ぶことは、介護士にとっても、利用者にとってもメリットがあります。
介護士や、家庭介護での介助者のために、認知症についての知識を学べる資格が認知症介助士です。
認知症介助士の資格は、他に紹介した資格と異なり、実務経験などの受験資格がありません。つまり、どなたでも受験可能な資格なので、キャリアの浅い介護士や、家族介護の介助者の方にもおすすめです。
介護士として、これから就職先を探す方は、介護施設の種類によって働きやすさや給与が違うことを把握しておきましょう。
介護士に人気の就職先は、「訪問介護事業所」「デイサービス」「特別養護老人ホーム」です。
ライフワークバランスなどの働きやすさを重視するなら「訪問介護事業所」「デイサービス」、給与の高い介護施設を探しているなら「特別養護老人ホーム」がおすすめです。
今後も介護士の需要は、増えていきます。安定した将来性のある介護の仕事に魅力を感じている方は、ぜひ自分の希望にそった介護施設で介護士としてのキャリアをスタートさせましょう。