介護士になる人が学ぶこととは?介護士に必要な知識やスキルを解説

2022-04-14 11:35:54

介護士は、利用者に対して適切な介護サービスを提供するために、介護についての基本的・実践的な知識・スキルを学んでいくことが大切です。

介護に関する知識やスキルを学び、身につける方法には、研修への参加・資格の取得・専門学校への通学などがあります。

本記事では、これから介護士を目指す方に向けて、必要な知識やスキルの学び方について紹介します。

 

 

介護士になる人が学ぶこととは

介護士になる人が学ぶことは、主に以下の内容です。

・介護に関する専門知識

・認知症などの病気・障害についての知識

・コミュニケーションのスキル

・介助のスキル

介護の知識やスキルを学ぶことは、利用者の理解を深めるのに役立つだけではなく、介護士にとってもメリットがあります。

例えば、介助のスキルを磨くことで自分の体にも負担の少ない介護ができるなどです。

介護士として長く働くためにも、以下のような方法で知識・スキルを積極的に習得しましょう。

・現場で働きながら学ぶ

・研修に参加して学ぶ

・介護の専門学校で学ぶ

それぞれの方法について、以下より紹介します。

 

 

未経験でも介護士になれる?

介護の仕事の中には、専門性の高い仕事ものもありますが、介護士は未経験でも就くことができる職業です。

未経験の方でも介護施設の現場で実践を積むことにより、介護士に必要な知識・スキルを習得できます。例えば、コミュニケーションのスキルや介助のスキルといったものです。

さらに業界未経験の方が知識やスキルを深める方法として、研修へ参加する方法もあります。

未経験・無資格の方が受講できる介護の研修には、「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」の2つがあります。

これら2つの研修で学ぶ内容を紹介します。

 

介護職員初任者研修で学ぶこととは

介護職員初任者研修で学ぶことは、介護の基礎的な知識やスキルです。

内容は、「職務の理解」「介護における尊厳の保持・自立支援」「介護の基本」など9科目。介護職員初任者研修の研修時間は130時間なので、比較的受講しやすい研修と言えるでしょう。

この研修は、介護施設に就業前の方が介護の仕事について理解を深めるのに役立ちます。また、家族のために介護の知識を深めたい方にもおすすめです。

 

介護福祉士実務者研修で学ぶこととは

介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位に位置付けられた研修です。

そのため、介護福祉士実務者研修で学ぶことは、介護職員初任者研修よりも一歩進んだ専門的な内容になっています。

例えば、たんの吸引・経管栄養についての講習など、20科目を450時間かけて、より実践的で専門的な知識・スキルを学ぶのです。

また介護福祉士実務者研修は、「実務経験3年以上」と併せて、働きながら介護福祉士の国家資格を取得するために必須の研修でもあります。

介護職員初任者研修を修了している方は、研修時間が130時間免除になりますので、介護職がステップアップするために取得するのもおすすめです。

 

 

介護の専門学校で学ぶこととは

時間や費用に余裕があり、よりしっかりと介護の知識・スキルを学びたい方は、介護の専門学校に通学するという方法もあります。

ここからは、介護の専門学校で学ぶことを紹介します。

 

介護に関する基本的な知識

専門学校では、介護に関する基本的な知識を座学・演習により学ぶことができます。

介護士は、高齢者が障害のある人と接する仕事のため、「コミュニケーションスキル」「病気・障害の理解」「安心・安全な介助スキル」などが必要です。

専門学校では、これらの基礎的な知識・スキルを2年、3年かけてじっくりと学ぶことができます。

 

介護の現場で必要な技術

また専門学校では、実践的な演習・実習により、介護の現場で必要な技術を習得できます。

「排泄介助」「入浴介助」「移乗介助」「食事介助」などの基本的な介護技術を身に着けることで、就業後から即戦力として活躍できるでしょう。

 

国家試験の対策

介護の専門学校に通うメリットは、国家資格の対策ができることです。

介護の国家資格といえば介護福祉士です。全体の合格率は約70%ですが、専門学校で試験の対策をすることで、効率よく資格取得を目指すことができます。

専門学校によって国家資格の合格率に差があるので、専門学校を選ぶ際には合格率も確認しましょう。

参考:2022年 公益財団法人社会福祉振興・試験センター「第 34 回介護福祉士国家試験の合格発表について」

http://www.sssc.or.jp/

 

 

実務を通して学ぶこととは

介護士が実務を通して学ぶことは、「関係各所とのコミュニケーション」「介護を行う上で大切な姿勢」です。

 

関係各所とのコミュニケーション

介護士は、利用者に対して適切な介護サービスを提供するために、多くの職種・関係機関と連携を取ることが必要です。

こうしたコミュニケーションスキルは、研修や専門学校などの座学だけでは、身につけることが難しいでしょう。

実務を通して関係機関との連携を重ねることで、関係各所とのコミュニケーションのスキルを磨くことができます。

 

介護を行う上で大切な姿勢

実務を通して学べることの2つ目は、介護を行う上で大切な姿勢です。

以下の4つの姿勢は座学でも学ぶことができますが、実務を担うことでより重要性を実感できます。

 

■利用者に思いやりを持つ

介護士が利用者に対して思いやりを持って接することは、利用者との信頼関係の構築にも役立ちます。このような姿勢を意識することで、利用者から感謝される機会も増えるため、仕事への意欲も高まるでしょう。

 

■危険がないかどうか周りを確認する

介護士は、利用者に危険がないように常に周りの環境や状況に意識を向けておく必要があります。例えば、歩行時であれば転倒リスク・食事中であれば誤嚥リスクなどがあるためです。危険となるリスクを排除することで、利用者は安心して生活することができます。

 

■向上心

介護を取り巻く技術は日進月歩で進化しています。新しい知識はもちろんのこと、新しい介護用品などの情報にもアンテナを張る必要があります。そのためには、常により良い方法がないかを模索する向上心が欠かせません。

 

■前向きな姿勢

介護士として働いていると、ときには利用者やその家族、職場の人との関係がうまくいかないこともあります。そのようなときでも、前向きな姿勢で利用者と接することが大切です。

 

 

介護士としてスキルアップしよう

介護に関する知識・スキルを学ぶことは、介護士としてスキルアップすることにもつながります。

利用者に対して適切な介護サービスを提供するためにも、積極的に資格取得・研修の受講を行いましょう。

また、介護福祉士などの資格を取得することで、資格手当が増えるというメリットもあります。

 

 

まとめ

これから介護士を目指す方は、以下の3つの方法から介護に関する知識・スキルを学んでいきましょう。

・現場で働きながら学ぶ

・介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修を受講する

・介護の専門学校で学ぶ

介護士は未経験でも就業できますが、専門的な知識・スキルがあることで利用者との信頼関係を構築できたり、自分の体に負担をかけない介助ができたりします。そのため、常に新しい介護の知識・スキルを習得しようという姿勢が大切です。

また、介護士としての学びを深めてスキルアップを図ることで、資格手当による給料の増加や、管理職などの次のステップに進めるでしょう。

自分に合った方法で学びを深めていってくださいね。