新人教育やスキルアップに活用しよう!介護業務に関するチェックリスト
2023-05-03 17:49:00
2023-05-03 18:33:33
介護士として就職したいけれど、「介護業界は離職率が高く、給料の低いブラック企業が多いイメージ」のため、介護施設の選び方に不安がある方はいませんか?
しかし、介護業界の実態はそのようなことはありません。介護職の平均月収は30万円を超え、離職率も全産業平均よりも0.7%低いです。
介護業界は、ブラック企業ばかりではありませんので安心してください。
本記事では、ブラック企業とホワイト企業の特徴と見分け方について紹介します。
そもそも、介護業界にブラック企業が多いというイメージは間違いです。
しかし、介護職で勤めている知人などが「私の職場はブラック」と話しているのを聞いたことがあるかもしれません。
それらの多くは、一般的なブラック企業の概念「著しくコンプライアンス意識が欠如した悪質な企業」の意味とは違います。
介護職におけるブラック企業とは、人手不足が深刻化して、職員1人に対して負担が増えすぎた介護施設を指すことがあります。
また、思うように休みが取れないなどの労働条件への不満の表れが「ブラック企業」という言葉につながっているのかもしれません。
たしかに、重労働に加えて、休みが取りづらいなどの労働条件下では、ブラックと感じるのも無理はないでしょう。また、このような介護施設で長く働くことは、難しいと感じるはずです。
残念ながら、介護業界は3Kと呼ばれる「きつい」「汚い」「危険」に、さらに「給料が安い」を加えた4Kといわれることがあります。
このような介護業界へのネガティブキャンペーンから、そのように思い込んでいる方もいるのではないでしょうか。
実際には、介護業界全体で職員の労働環境の改善に取り組んでいますので、介護業界自体が「ブラック」というわけではありません。
介護業界が「ブラック」といわれるのは、以下の4つの理由からです。改善傾向にある理由についても、併せて解説していきます。
介護業界がブラックといわれる理由の1つは、休みが取りづらいことです。
入所施設であれば、利用者の生活を支えるため、24時間365日、介護職員が必要です。そのため、土日・お盆・お正月などの休日にかかわらず勤務しなければなりません。
さらに、介護業界は慢性的な人手不足に悩んでいるため、希望する日に休みが取れないこともあります。人手が不足している介護施設ほど、休みが取りづらくブラック企業と感じてしまうでしょう。
反対に、人員が十分に確保できている介護施設では、希望する日に休みも取りやすく働きやすいものです。
介護業界がブラックといわれる2つ目の理由は、サービス残業が多いことです。
介護業界では、日々の利用者の記録などを残す必要があります。しかし、勤務時間中は利用者の対応に追われてしまい、なかなか記録の時間が取れないこともあります。
そのため、終業後に記録することになりますが、一部の介護施設では、残業代が出ないこともあるようです。
もちろん、サービス残業は労働者に対価を支払ってないため違法です。サービス残業を黙認しているような介護施設は、ブラック企業といえるでしょう。
介護業界がブラックといわれる理由の3つ目は、給料が少ないことです。
以前、介護職は給料の少ない代表的な職業でしたが、2020年の調べで平均月給は30万円を超えています。このように、給料は、国の政策などにより年々上昇傾向にあります。
ただし、注意が必要なのは、介護施設によって介護職員特定処遇改善加算を利用していない場合があることです。
このような介護施設で勤務している人は、処遇改善手当がないため他の施設と比べて給料が少なくなるでしょう。
参考)2020年 厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」https://www.mhlw.go.jp/
介護業界がブラックといわれる4つ目の理由は、離職率が高いことです。
介護業界の離職率は、どのくらいかご存じですか?
すでに、介護業界の離職率が高いというのは、昔のことになりつつあります。
介護業界の離職率は年々改善傾向にあり、2020年度の離職率は14.9%でした。この数字は、全産業の平均離職率である15.6%を0.7ポイント下回っています。
まだ、介護職の離職率が低いとまではいえませんが、改善傾向にあるのは間違いありません。
しかし、介護施設によっては、これよりもはるかに高い離職率の場合もあるでしょう。
離職率が高い介護施設は、何かしらの問題を抱えているはずです。離職率が高すぎる場合は、介護施設が問題を放置している結果ともいえます。そのような介護施設は、ブラック企業といえるかもしれません。
参考)2021年 公益財団法人介護労働安定センター「令和2年度「介護労働実態調査」結果の概要について」http://www.kaigo-center.or.jp/
「人手不足が慢性的に続いている介護業界に、ホワイト企業はあるのか」と思われるかもしれません。
もちろん、介護業界にもホワイト企業はあります。
先述した給料・離職率が改善傾向にあるのは、職員の労働環境の改善に力を注いでいる介護施設があるためです。そのような、介護施設は働きやすいホワイト企業といえるでしょう。
介護士であれば誰しも、ブラック企業よりもホワイト企業に勤めたいはずです。
そこで、ホワイト企業である優良企業・優良施設の特徴について3つ紹介します。
優良企業の1つ目の特徴は、ワークライフバランスが整っていることです。
介護職は心身への負担が大きい職業です。そのため、優良企業では、離職を防ぐためにワークライフバランスに気を配っています。
例えば、以下のように働きやすい環境を整えています。
このような、ワークライフバランスが整っている介護施設では、心身ともに十分休めるため、長く働ける優良企業といえるでしょう。
優良企業の2つ目の特徴は、キャリアアップしやすいことです。
優良企業は、働きやすいように昇給や昇進の制度の明確化や、資格取得・研修受講など支援をしているため、キャリアアップしやすいです。
企業によっては研修費用も負担してくれますので、介護福祉士の資格取得を目指す方はこのような介護施設へ就職しましょう。
3つ目の優良施設の特徴は、人間関係にストレスがないことです。
優良施設と呼ばれる介護施設では、以下のような方法で人間関係のストレス緩和に努めています。
なぜ、優良施設ではこのように、人間関係のストレス緩和に力を入れているのでしょうか?
それは、人間関係が悪くなると介護職が離職するためです。
介護に従事する人が離職する理由の上位に「人間関係が悪い」があります。
介護職は、円滑に介護サービスを提供するために、利用者や家族との人間関係を構築することが求められます。
それに加えて、他職員と連携して業務にあたる必要があるため、他職員との人間関係も重要な職業です。
しかし、いつもイライラしているような職員がいたり、挨拶をしても無視をするような職員がいたりすると施設内がギスギスし、職員が長く続けることが難しくなるでしょう。
このように、人間関係にストレスがないことは働くうえで重要なポイントだからです。
これらのようなホワイト企業は、どのように見つければ良いのでしょう?
ホワイト企業を見分けるポイントを3つ紹介します。
ホワイト企業を見分ける1つ目のポイントは、給料や昇給のルールが定められていることです。
ホワイト企業では、上司や経営者の気分で給料が上下することはありません。
その理由は、給料や昇給のルールが明確化されているためです。一般的には、労働契約書や給与規定で確認できます。
ホワイト企業を見分ける2つ目のポイントは、キャリアパスが周知されていることです。
キャリアパスとは、企業内で管理職などに就くために必要な資格や業務経験、年数といった道筋のことです。これを明確に示したものがキャリアパス制度で、明確化することで職員のモチベーションを高める効果があります。
キャリアパス制度は、給料アップや管理職を目指すための指針となります。
このため、キャリアパスが周知されていると、昇進などの基準もわかりやすいため働きやすいものです。
ホワイト企業を見分ける3つ目のポイントは、施設が清潔で雰囲気が明るいことです。
施設の内部に清潔感がない場合は、清掃するための人員を割けないほど人手不足なのかもしれません。そのような施設に就職しても、人手不足のため苦労するでしょう。
また、挨拶をしない職員や、無言で介護を提供する職員がいる、雰囲気の暗い介護施設は、人間関係に問題があるかもしれません。
逆に、利用者・職員が笑顔の雰囲気の明るい職場であれば、長く働けるホワイト企業でしょう。
介護士として介護施設への就職を考えている方の中には、介護業界がブラックといわれるため不安に感じている方もいることでしょう。
介護業界の実態は、そのようなブラック企業ばかりではなく、ホワイト企業もあります。
それを示すように、介護業界全体で職員の労働環境の改善に取り組んできた結果、給料・離職率は改善傾向です。介護職がブラックといわれる多くの理由は、先入観から思い込んでいるためでしょう。
本記事で紹介したホワイト企業の見分け方を活用して、ぜひ働きやすい介護施設で介護職の一歩を踏み出してください。