ホームヘルパーになるには?必要な資格や求められる能力とは

2020-06-03 18:00:47

高齢化社会に入り、自宅での介護を行うためにホームヘルパー(訪問介護員)の需要が高まっています。ホームヘルパーは介護が必要な方の衣食住についてケアを行う、需要の多いお仕事です。ここではホームヘルパーというお仕事の内容や、資格を取得するための方法について解説します。

ホームヘルパー(訪問介護員)とは

ホームヘルパーは、介護を必要とする方の自宅を訪問して移動・食事・入浴・排泄といった日常生活の支援を行います。仕事内容は「身体介護」「生活援助」の2つに分けられています。

「身体介護」は食事を摂るための食事介助や、入浴またはシャワーを介助する入浴介助、トイレへの移動、排泄、おむつ交換といった排泄介助、着替え介助など、身体機能の低下によって自分一人ではできない日常生活の動作・行動のサポートを行います。床ずれのおそれがある方には「体位変換介助」を行うほか、処方された薬の服薬を支援する「服薬介助」も身体介護の業務に含まれます。

「生活援助」は身体介護以外の日常生活に関する動作の援助を指し、要介護者が一人でこなすには肉体的負担の大きい外出・買い物・料理・洗濯・掃除などについてサポートを行います。ただしペットの世話や部屋の模様替え、大掃除、庭の草むしりといった日常的な家事から外れる行動は生活援助には含まれません。

ホームヘルパーになるにはどんな資格が必要?

ホームヘルパーになるために必要な資格の概要と取得方法についてそれぞれ解説します。

介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)

介護職員初任者研修はかつてヘルパー2級の資格として知られていました。2013年の介護保険法改正によって、都道府県または都道府県が指定した研修事業者による研修を受けて筆記試験に合格することで、ヘルパー2級に相当する知識が学べるようになりました。介護に関する基礎知識と技術を証明する資格であり、介護福祉士を目指す方の入門資格として位置づけられています。

介護職員初任者研修では介護の基礎的な項目を中心に学びます。職業倫理、安全に関する知識のほか、介護・福祉サービスと医療との連携や利用者とのコミュニケーション方法、高齢者に多い疾患のひとつである「認知症」についての理解も深めます。

介護職員実務者研修(旧ヘルパー1級)

介護職員実務者研修とは、かつてヘルパー1級として知られていた資格です。初任者研修の上位資格となっていますが、初任者研修と同様に、介護職未経験でも得られる資格です。資格を得るためには、都道府県または都道府県が指定した研修事業者による研修を受けなければなりません。また、介護分野唯一の国家資格である介護福祉士の受験資格を得る条件のひとつに、「実務経験3年以上」という条件がありますが、この条件で介護福祉士を受験するには、実務者研修修了も必須の条件となります。

実務者研修のカリキュラムは20科目(450時間)で構成されていますが、そのうち9科目が初任者研修と共通しています。初任者研修の段階で9科目を修了していれば、そのすべて(130時間分)が免除となります。筆記試験は行われませんが、より専門的な内容に踏み込んだ講座が増え、医療的ケアに関する演習が含まれます。

介護福祉士

介護福祉士は日常生活において介護を必要としている方に対し、ケアマネージャーが決めた計画にしたがって身体介護・生活援助を行います。訪問介護の際に利用者のご家族をサポートしたり、時には相談にのったりすることもあります。

介護福祉士になると専門知識と実務経験をもって利用者に丁寧なケアができるようになり、さらに上位の認定介護福祉士への道も開けます。

ホームヘルパーの魅力・メリット

ホームヘルパーは利用者の自宅や居室を訪問してケアを行うため、大きなやりがいとともに一人ひとりに異なるケアを提供できます。雇用形態もさまざまで、正社員・契約社員・パート・アルバイトなどライフスタイルに合った雇用方法を選択できることも魅力的です。

登録型のホームヘルパーなら自宅近くで働くことができますし、介護事業所に常勤する正社員として長く務めることも可能です。高齢者の増加にともなって活躍の場がたくさん設けられているので、長期的かつ安定的に働ける職業であることもメリットといえるでしょう。

初任者研修を終えて実務者研修もクリアすると、いよいよ国家資格の介護福祉士を目指すチャンスが訪れます。介護福祉士の資格を取得すれば正式な介護士として認められるため、職場での好待遇や資格手当が出るほか、転職がしやすくなるメリットもあります。

ホームヘルパーに求められる能力

ホームヘルパーに求められる能力は、体力とコミュニケーション能力、そして観察力です。

体を抱きかかえたり歩行を手助けしたりと、さまざまな場面で体力を必要とします。また、介護を受ける方へのケアはもちろん、利用者のご家族や職場のスタッフとスムーズに連携をとるためにコミュニケーション能力も必須です。ケアを行ううえで利用者の体調やメンタルの変化に気づける観察力も、業務になくてはならないスキルです。

 

ホームヘルパーは多様な働き方が可能なお仕事で、国家資格である介護福祉士を目指すこともできます。高齢者の増加や在宅ケアへの移行が増えたことによって、ますますホームヘルパーの需要は高まっています。ぜひ上記を参考に、ホームヘルパーを目指してみてはいかがでしょうか。