都道府県ごと 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護サービス事業所・施設等に勤務する職員に対する慰労金の支給事業)申請書様式・申請マニュアル(外部サイト)まとめ 9月4日時点
2020-09-04 21:11:00
2020-10-02 17:05:41
コロナウイルスの感染拡大が続いている中、様々な対策が呼びかけられています。一般では手洗いの徹底や、外出する際のマスクの着用、また密集しないなど三密を避けることが求められています。お店などではアルコール消毒の設置や、席に間隔をあけてソーシャルディスタンスを保つようにするなど、「新しい生活様式」が習慣化されてきました。そういった中で感染リスクが高いとされている高齢者施設ではどのような対策が行われているのでしょうか。今回は高齢者施設での感染予防対策と今後の対策について解説します。
感染者のうち、8割は軽症又は無症状のまま治癒するが、2割で肺炎症状が増悪し、人工呼吸器管理などが必要になるのは約5%程度と言われています。若年層では重症化割合が低いですが、加齢によって免疫力が低下し、持病などを持つ65歳以上の高齢者や基礎疾患を有する者が重症化のリスクが高いことが判明しています。
厚生労働省は、感染者が多発している地域などでは、高齢者施設等に勤務する者と入所者全員を対象に一斉・定期的な検査の実施を各都道府県に要請するなど、検査体制の強化を図っています。また、感染が施設等に限らず、地域の関係者を幅広く検査することが可能であることを明確化し、都道府県等に対して、積極的な検査の実施を要請していく方針です。
国民一人一人に対しても、三密や大声を上げる環境の回避、外出時のマスクの着用、ソーシャルディスタンスの徹底、手指の消毒や定期的に換気を行うなど基本的な感染対策を行い、さらには、接触確認アプリを活用するといった「新しい生活様式」の実践を呼びかけてきました。
高齢者施設で働く職員は、重症化リスクの高い高齢者と接触する機会が多いため、日頃からより注意を払う必要があります。毎朝の健康・体温チェックや、手洗い、定期的な消毒と換気を徹底し、プライベートでも人混みや密になりやすい場所を避けるようにする必要があります。
高齢者施設でも日頃から感染予防に取り組んでいますが、ケアを行う際は身体的な接触が避けられず、集団生活のため、密集になりやすいという特徴が挙げられます。そこで東京都では施設における感染予防を支援するため、感染症の専門家の監修のもと、介護現場でのケアを担う介護職員のために、新型コロナウイルスの基礎知識や日頃の予防策、感染が疑われる利用者への対応(食事や排泄などのケア方法)などをわかりやすく動画で紹介しています。(概要欄)
3月からPCR検査に医療保険を適用できるようになっており、これによって保健所を経由することなく、医療機関が民間の検査機関等に直接依頼を行うことが可能になりました。さらに、感染拡大や重症化を防止する観点から、一定の高齢者や基礎疾患を有する者について、市区町村において本人の希望により検査を行う場合に国が支援する仕組みを設けています。 また、高齢者施設においてクラスターの発生を防ぐため、全職員・全利用者への一斉且つ定期的なPCR検査の実施も厚生労働省の案として上がっており、今後さらに対策が強化されていくことが予想されます。
例として東京都世田谷区では、区内の介護施設職員らを対象にPCR検査を9月中旬から実施すると発表しました。保育所・幼稚園の職員なども対象に1日1000件程度の検査実施を予定し、施設内でのクラスター発生を防ぐことを目的とします。
高齢者らは感染すると重症化するリスクが高いため、施設内での接触が避けられない職員を対象に「社会的検査」として取り組んでいきます。介護施設などの従事者約2万3000人への検査を見込んでおり、特別養護老人ホームへの入居予定者らも検査対象であると発表されています。また東京都は9月の補正予算案で今冬の新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備え、高齢者を中心にインフルの予防接種の実費負担分を区市町村を通して補助し、本人負担をゼロにすると発表されました。
高齢者施設の入所者や職員への検査費として30億円を盛り込んでおり、対象は850ヶ所程度で、約15万人を見込んでいます。自ら検体を検査機関に持ち込み、陽性であれば改めて医療機関で正式なPCR検査を受けてもらうことを想定しています。
高齢者施設では、クラスターの発生を防ぐため独自に様々な対策を行っています。また、クラスターが発生した際のリスクが大きいため国も対策を講じています。東京都の例のように、本人負担のないPCR検査ができるなど、高齢者施設で働く職員などが安心して働ける環境を作るようコロナ対策が今後政府から発表されることが予想できます。今後政府からの発表に注意し、コロナ渦において高齢者施設で働く職員は、各施設で決められた対策をしっかり守り、感染リスクを最小限に抑える努力をしていきましょう。
引用・参考URL
(厚生労働省・「感染予防対策と医療提供体制の整備」)