手指の微細な動きで認知症リスクを発見する、臨床研究論文を発表

2022-09-02 16:48:17

手指のタッピング運動による研究

国立研究開発法人国立長寿医療研究センターは、マクセル株式会社、株式会社日立製作所研究開発グループと共同で、手指のタッピング運動に着目した臨床研究を行っています。

その中で軽度認知障害者(MCI者)特有の運動パターンの抽出に成功したと2022年8月24日に報告しました。

この研究は、2016年に発表した「アルツハイマー型認知症に特有の指タッピング運動パターンの抽出」の研究成果をもとに行われてきたもので、両手の親指と人差し指のタッピング運動から、分析によって特定のパターンを抽出するというものでした。

 

 

被験者に負担の少ない検査方法

MCI者、健常者それぞれ173名を対象に計測したところ、両手交互時のタッピング回数、タッピングの間隔、間隔の標準偏差、すくみ回数で差が認められました。

健常者に比べMCI者はタップ回数の減少や指先の巧緻性低下などがあり、指の運動機能の微細な動きを捉えることで、認知機能低下リスクの「見える化」に成功したと報告しています。

 

臨床研究では、マクセルが開発した「磁気センサ型指タッピング装置UB-2」を使っており、現在開発が進められているほかの検査と比較して、被験者に対し身体的、経済的負担の少ない方法となっています。

精度の高い検査を負担なくできることで、認知症リスクの早期発見につながる可能性があるとしています。

今回の研究は長寿医療研究センターの倫理審査委員会の承認を得て実施されたもので、成果は2022年8月9日に「Hong Kong Journal of Occupational Therapy」に論文が掲載されました。

(画像はプレスリリースより)

 

▼外部リンク

マクセル株式会社のプレスリリース(PRTIMES)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000075608.html