【未経験者必見】新人介護職が仕事の人間関係の不安を解消する方法は?
2022-01-24 13:18:51
2022-02-09 16:20:26
介護を必要とする方は、個々のニーズや身体状況に合わせて様々なサービスを受けられますが、できる限り在宅で自立できるよう支援することが、公的介護保険制度の趣旨になっています。
そのため、令和2年8月に在宅で介護サービスを受けた人の数は約390万人(要支援者向けの介護予防サービスを含む)と、施設に入所して介護サービスを受けた人の約4倍になっています。
今回は、在宅介護サービスを利用する方と介護職との間でありがちなトラブルとその対処法を紹介します。
よくあるトラブルの内容を知っておくことで、未然に防げることもあるでしょう。ぜひ参考にしてくださいね。
参考)
公益財団法人生命保険文化センター「介護を受けている人はどれくらい?」
在宅介護サービスは、主に「訪問介護サービス」「通所介護サービス」「短期入所サービス」の3種類です。
まずはそれぞれのサービスの特徴を紹介します。
訪問介護サービスは、訪問介護員(ホームヘルパー)などが要介護者の自宅に行き、必要な介護を提供するサービスです。
生活援助や身体介護を通して、利用者の自立をサポートするとともに、同居する家族の負担を軽減することができます。
身体介護では食事や着替え、排泄、入浴介助などを、生活援助では買い物や洗濯、掃除などを行います。
また、入浴をメインに行う訪問入浴介護や、リハビリをメインに行う訪問リハビリテーションも存在します。
訪問介護員が利用者や利用者家族のニーズや身体状況を理解し、ケアプランに沿った最適なサービスを行うことで、利用者の生活の質を向上でき、生きがいを作ることもできるでしょう。
通所介護サービスは、自宅から施設に通う利用者に介護サービスを提供します。
通所介護(デイサービス)ではデイサービスセンターで食事や排泄、入浴のための機能訓練などを、通所リハビリテーション(デイケア)では介護老人保健施設や病院で日常生活における自立のためのリハビリなどを行います。
利用者が通所している間、介護にあたる家族は時間を自由に使えるので、ストレスを軽減することができでしょう。
また、デイサービスでは身体介護だけではなくレクリエーションも提供しているので、利用者同士のコミュニケーションも生まれます。
短期入所サービス(ショートステイ)は、介護老人保健施設や特別養護老人ホームに短期間入所する高齢者に、日常生活の介護やリハビリを提供するサービスです。
短期入所サービスの対象者は、要支援や要介護と認定された65歳以上の人です。普段介護をしている家族などが体調を崩してしまった時、介護疲れで休みたい時、一時的に家を空ける時などに利用されます。
短期間で利用者が入れ替わるので、介護職は利用者一人ひとりの特徴をいち早く理解し、最適な支援を提供することが求められます。
利用者の自宅で介護サービスを行ったり、自宅と介護施設とを行ったり来たりする在宅介護サービスでは、利用者と介護者の間にトラブルが起きることもあります。
ありがちなトラブルとその対処法を知り、未然に防ぐようにしましょう。
まずは訪問介護サービスでありがちなトラブルと対処法です。
■ 物損トラブル
訪問介護では、物損トラブルが起きる場合があります。
よくあるのが、自宅の床に壊れやすいものが落ちている状態で、訪問介護員(ホームヘルパー)が踏んで壊れてしまうという例です。また、電動ベッドなどが故障しており介助の際に壊れることもあります。
物損トラブルは、サービス提供前に利用者宅の環境を確認することで防ぐことができます。また、電動ベッドなど福祉用具の故障は大きな事故にもつながるので、故障していると思ったら業者へ連絡しましょう。
サービス中に物損トラブルが起きた場合は、利用者へ謝罪することはもちろん、対応に困った場合は事業所にすぐに相談してください。
■ 金銭トラブル
生活援助などで、金銭トラブルが起きる場合があります。
訪問介護では、利用者の代理で買い物に行くことがあります。金銭の受け渡しがある時は、「お金を返してもらってない」などトラブルが起きないように、買い物の後はレシートと残金の確認を一緒にするようにしましょう。
信頼関係が壊れないように、金銭の管理は丁寧に行ってください。
■ サービスへの不満
訪問介護は毎回同じヘルパーが来るわけではないので、利用者がサービスに不満を感じることがあります。
ヘルパーごとにサービスの質が変わったり、利用者と相性が悪かったりするとストレスが溜まり、クレームにつながる可能性があるでしょう。
このような理由から利用者との関係に不安を感じたら、一度事業所へ相談してください。
■ 仕事の範囲外のことをお願いされる
訪問介護員が利用者から仕事の範囲外のことをお願いされ、対応に困るというケースがあります。
訪問介護員を家事代行と勘違いしている利用者も少なくありません。例えば、家族の食事も作って欲しいと言われた場合、仕事の範囲外なので対応する必要はありません。
利用者からの頼みは断りにくいものですが、断らずに対応していると依頼の内容がどんどん増えることもあります。
自分で断れない場合は、上司や事業所に相談しましょう。
続いて通所介護サービス、短期入所サービスでありがちなトラブルと対処法を紹介します。
■ 利用者同士のトラブル
利用者同士の相性が悪いと、トラブルが起こりやすいです。
利用者も人間なので、当然利用者同士の相性が存在します。中には気難しい人や、他の利用者とあまり関わりたくない人など、さまざまな人がいるでしょう。
利用者同士を無理に関わらせると、利用者間のトラブルに発展し、最悪の場合、通所をやめてしまうことにもなり得ます。
利用者同士が仲良くできるのが職員にとっては理想ですが、無理矢理関わりを持たせるのはトラブルの元なので注意しましょう。
■ 送迎中のトラブル
送迎中は交通事故や転倒など、トラブルが起きやすいので注意が必要です。
デイサービスの送迎中に他車と衝突する、車椅子の固定が甘くバランスを崩して転倒するなど、事故につながる要因は数多く存在します。
送迎中のトラブルを起こさないためには、丁寧な運転と確認の徹底が重要です。
車椅子がしっかり固定されているか、無理な運転はしていないかなど職員間で確認を徹底し、日々の支援に臨みましょう。
■ ケガ、誤嚥、薬の取り違え
身体介護ではケガ、誤嚥(ごえん)、薬の取り違えが起こる可能性があります。
誤嚥と怪我を防ぐには、利用者一人ひとりに最適な支援方法を覚えましょう。先輩職員から入浴や食事、排泄介助など身体介助全般の引き継ぎを受けることで、介助面でのミスを減らすことにつながります。
また、日常の支援が忙しく焦ってしまうと、薬の取り違えも起きる可能性も高まるので、一つひとつの支援を丁寧に行いミスを防ぎましょう。
自宅で介護をしている家族の中には、身体的・精神的な負担から介護疲れを感じている方も少なくありません。
しかし、人に迷惑をかけてはいけない、頼る人がいないなどと無理をしている家族もいるのが実情です。
そのため、介護離職や介護うつ、引いては介護放棄につながることがあります。
自宅で介護を担う家族がこうしたトラブルを抱えなくて済むよう適切なアドバイスを行うことも、介護のプロである介護職に求められていることだと言えるでしょう。
ここまで、在宅介護サービスの種類やありがちなトラブルと対処法などを紹介しました。
利用者が満足のいく介護サービスを受けられるよう、介護職は在宅介護サービスで起きがちなトラブルを理解し、未然に防げるようにしましょう。
また在宅介護においては、介護疲れや鬱になるなど家族に大きな負担がかかることを理解しておき、家族に適切な声かけや必要に応じたアドバイスをしてください。