介護保険サービスに重要な職種!ケアマネジャーの仕事内容を知ろう

2021-09-21 17:25:12

介護には利用者や介護福祉士、看護師、行政などの多くの人たちが関わっています。

これは、利用者により質の高い介護サービスを提供するためです。多職種が、一人の利用者に対して意見を出し合うことで、多角的な視点から利用者の問題を捉えられるようになります。

しかし、多くの人や職種が関わるためには、意見や、会議の日程などの調整役が必要となります。

その役割を果たすのがケアマネジャーです。ケアマネジャーは多くの人たちの間に入り、利用者にとってより良いサービスの提供を目指します。

当記事ではケアマネジャーの仕事内容や役割について紹介していきます。

 

ケアマネジャーとは

ケアマネジャーの正式名称は介護支援専門員です。その介護支援専門員は、介護保険法の第7条第5項においてケアマネジメントを担う職種と位置づけられています。

参考)1997年 厚生労働省「介護保険法」

https://www.mhlw.go.jp/

ケアマネジメント業務は、介護を必要とする利用者や、家族の課題を分析します。そして、利用者にとって必要な支援計画を作成することです。さらに、支援計画通りにサービスが提供されているかのチェック、支援計画に変更が必要かどうかの判断もケアマネジャーが行います。

この支援計画はケアプランと呼ばれ、ケアプランを作ることはケアマネジャーの主な仕事の一つとなります。

 

ケアプランを作る

ケアプランとは提供するサービスの種類や内容、頻度を決めた計画書のことです。ケアプランの役割は、介護を必要とする方が、適切な介護サービスの提供を受けられるようにすることです。

このケアプランを作ることが、ケアマネジャーの主な仕事内容となります。

利用者は要介護または要支援の認定をされると、介護保険サービスを受けられるようになります。しかし、介護保険サービスは、いつでも好きな時に利用できるわけではありません。介護保険を利用するためには、ケアプランをもとに介護サービスを利用する必要があります。

このように、ケアプランは介護保険サービスを運用するための根幹です。

それではケアマネジャーは、ケアプランをどのように作っているのでしょうか。まずは、アセスメントと呼ばれる利用者や家族の現状や、情報を聞き出すことが必要です。

このアセスメントは、利用者や家族にどのような介護サービスが必要なのか、生活上の課題を分析するうえで欠かせません。アセスメントする内容は以下のようなものがあります。

・利用者、家族が何に困っているか

・どのような支援が必要か

・どのような生活を希望しているか

・希望する生活をするには何が問題か

ケアマネジャーはアセスメントで得られた情報をもとに、利用者一人一人に合わせたケアプランを作成します。

 

利用者とサービス事業者の間の調整役

ケアマネジャーの仕事はケアプランを作って終わりではありません。作成したケアプラン通りに、介護サービスが提供されているかのチェックも必要です。そのために必要な業務が、モニタリングとなります。

モニタリングは、まず利用者に提供されている介護サービスが、ケアプラン通りに実施されているかをチェックします。そのうえで、利用者や家族のニーズと、ケアプランにズレが生じていないか定期的な確認が必要です。ズレが生じている場合は、利用者や家族のニーズに沿ってケアプランを修正します。

これらのように、アセスメントやモニタリングを行うためにも、ケアマネジャーは利用者や家族、関係するサービス事業所とこまめに連絡をとることが大事です。

利用者に円滑な介護サービスを提供するためにも、利用者や家族、サービス事業所との調整役を果たすことがケアマネジャーには求められています。

 

業務内容について

利用者や家族、サービス事業所の間の調整役を果たすためには、ケアマネジャーはそれぞれと良好な関係を築く必要があります。良好な関係を築ければ各関係者とこまめな情報交換が可能となり、利用者とサービス事業所のトラブルを未然に防ぐことにもつながります。

ケアマネジャーが、それぞれと良好な関係性を築くために、大切なのは相談業務です。ここからはアセスメントやモニタリングに代表されるような、ケアマネジャーの相談業務について説明します。

 

利用者・家族から相談

利用者に対して制度内で行える介護サービスは、専門職ではないとわからないほど制度が複雑です。そのため、利用者や家族は介護保険制度や、介護保険サービスについて知識が乏しいことも多々あります。

利用者や家族が介護サービスで行ってほしいことが、介護保険では行えない場合も出てくるでしょう。そのような制度について、利用者や家族が知らないだけで、不安や不満となることもあります。

さらに、ケアマネジャーは利用者や、家族から相談を受けることが多々あります。介護保険についての質問から、介護サービスについての苦情や要望など多岐にわたるでしょう。

例えば、利用者や家族から受ける相談には、以下のようなものがあります。

・最近利用者の様子がいつもと違う

・介護保険の利用料金について聞きたい

・新たに介護サービスを追加したい

・老人ホームに入所させたい

これら一つ一つに対して、ケアマネジャーは対応することが求められます。

 

課題の把握と解決策の提案

利用者や、家族から相談された内容には、現状の問題点や課題が含まれていることもあります。先に挙げた例について、どのような問題点や課題があるか、少し考えてみます。

■最近利用者の様子がいつもと違う

いつも利用者と接している家族は、利用者の些細な様子の違いに気づくことがあります。その違和感は、利用者の持病の悪化であったり、新たな病気の発見であったりすることもあります。

■介護保険の利用料金について聞きたい

介護保険制度の説明や、利用料金について知識が不足していることも考えられるため、情報を提供する必要が考えられます。また、利用料金について納得していない部分があり不満を感じている可能性もあります。

■新たな介護サービスを追加したい

このような場合には、現状のケアプランでは問題を解決できていない、または、利用者や家族に新たな問題が発生している可能性もあります。対応可能であれば、新たな介護サービスを提案することも必要となります。

■老人ホームに入所させたい

在宅で過ごしている利用者を、家族が老人ホームなどへの入所を希望している際には、家族のストレスが高まっていることも考えられます。利用者の状態の悪化や、家族のストレス状況のチェック、時には短期入所を利用するなど対応策が必要です。

このように利用者や、家族からの相談の中には、それぞれのニーズが含まれていることもあります。また、新たな課題の発見につながるような、ケアプランに関する情報もたくさんあるでしょう。

利用者からの相談内容を一つ一つ確認することで、利用者の課題の把握や、解決策の提案が行えます。これらは、アセスメント、モニタリングに役立ち、利用者や家族のニーズに沿ったケアプランが作れるようになります。

良質な介護サービスを提供することで、利用者や家族と良好な関係性を築けるでしょう。

 

定期的な自宅訪問の状況把握

利用者や家族の課題やニーズを知るためには、聞き取り調査だけでは不十分です。定期的な自宅訪問を行うことも、重要な仕事内容となります。

自宅訪問を行うことで、利用者の生活環境について理解できるからです。また自宅訪問で確認する内容は、どのような生活環境で過ごされているか、困っていることが発生していないか、衛生面で問題がないかなどについてです。これらから、ケアマネジャーは必要と思われる介護サービスを利用者や家族に提案できます。

 

介護の職種について

今回は、ケアマネジャーの役割や、仕事内容について解説してきました。ケアマネジャーは介護保険制度において根幹となります。そのため、ケアプラン作成から相談業務まで、重要となる仕事は多いです。

介護職にはケアマネジャー以外にも様々な職種が携わっています。ケアマネジャー以外の代表的な職種は以下となります。

・介護福祉士

・看護師

・社会福祉士

・訓練士

・管理栄養士

・ホームヘルパー

このように、様々な職種があることも介護職の魅力です。介護現場だけではなく、相談業務や、訓練関係、食事関係など自分のやりたい仕事が見つかるはずです。自分の適性に応じて職種を選ぶのも、長く働くためには良いアイデアとなります。

それぞれの仕事内容を把握することで、介護職へ転職する際にどの職業を選択するかの目安となるでしょう。