超高齢社会の日本、順天堂大学が地域コミュニティの実態をWHOに報告

2021-11-24 15:22:18

高齢者コミュニティの調査

順天堂大学健康総合科学先端研究機構のグループは、高齢者コミュニティを対象に行った調査結果をもとに、日本の「コミュニティベースのソーシャルイノベーション(CBSI)」としてWHOに報告したと2021年11月19日に発表しました。

調査は2018年11月から2021年1月まで、日本各地のコミュニティにインタビューやアンケートを行ってきた中から明らかになった、日本のCBSIの特徴を示すものです。

 

 

地域ボランティア活動が中心のモデル

それによると、日本の高齢者コミュニティは自発的な参加によって運営・維持されており、サポートを行う人たちも多くがボランティアでまかなわれています。それらをもとに、日本国内で高齢者の生活の質を担保するための構造モデルを作成しました。

それは、公共スペースを活用した活動の中に「社会的なつながりの多様性」「健康的な高齢化」「生活の質の維持」を軸として、CBSIが盛り込まれています。

CBSI1は運動グループとして組み込み、健康増進や社会参加、孤独感の減少を促すこと、CBSI2を社会・文化活動グループとして、趣味や価値観の共有、自主性や楽しみをサポートすることです。そして、近隣の安全など高齢者の生活の質を維持するまでが1つのモデルとなっています。

 

 

高齢者の生活の質を保持するために

総務省によると、日本の人口における65歳以上の割合は全体の28.7%、世界1位の超高齢社会である日本の生活環境や安全性、社会的資源は各国からも注目されています。

今回の調査で研究グループは、日本のCBSIが高齢者の社会的・心理的・身体的な豊かさと、生活の質の保持がどのように行われているかを示すことができたと報告しています。今後は、デジタル技術の活用も注目されていることから、引き続き高齢者コミュニティについての研究を進めるとしています。

(画像はプレスリリースより)

 

 

【インフォメーション】

順天堂大学

https://www.juntendo.ac.jp/news/20211119-01.html