日常歩行とフレイル進行リスクの相関性を明らかにした研究結果を発表

2022-08-03 16:05:36

歩行モニタリングによる共同研究

花王株式会社パーソナルヘルスケア研究所と国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターは、歩行専用高感度活動量計を用いて疫学研究を行い、その結果を2022年7月29日に報告しました。

日常歩行モニタリングが将来のフレイルの進行や要介護状態を推定するのに役立つ可能性があることを確認しています。

調査は、運動機能の疾患がなく要介護状態ではない60~91歳1,692名に対し、プレフレイル状態かどうかを判定した上で、2週間にわたり歩行専用高感度活動量計を使い歩数と日常歩行速度を計測しました。

その結果、健常状態とプレフレイル状態を切り分けられる境界線の歩数は、1日6,342歩、速度は1.06メートル/秒となり、これらの数値を上回るとプレフレイルの出現率が低くなることが分かりました。

 

 

ポイントは日常歩行速度

またその2年後、歩数が多いグループと少ないグループ、速度が速いグループと遅いグループに分け、要介護の発生率を比較しました。

歩数では顕著な差はなく要介護の危険因子とはならなかったものの、日常歩行速度においては、遅いほど強い危険因子となることを明らかにしています。

歩行研究の分野では、様々な歩行試験により歩行速度の低下がフレイルのリスクとなる可能性を示していましたが、花王と国立長寿医療研究センターは、日常的に装着できる活動軽量を用いることで生活における活動の計測データ収集に成功しました。

今回の研究では、1日約6,300歩、日常歩行速度1メートル/秒以上を目安として生活を送ることで、フレイル進行を抑制する可能性があると報告しています。この共同研究の成果は国際学術誌「Scientific Report」にも掲載されました。

(画像はプレスリリースより)

 

【インフォメーション】

花王株式会社のプレスリリース

https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2022/20220729-001/