「もう限界」になる前に。介護職のストレス発散方法とは

2022-01-24 13:20:49

「もう限界、介護職を辞めたい…」となる前に、ストレスの発散方法を知りたくはありませんか?

介護職を長く続けるためには、ストレスとうまく付き合うことも必要です。

ストレスを溜めすぎると心身に不調をきたし、離職の原因になることもあります。そうならないためにも、自分に合うストレス対処法を知っておくことが大切です。

この記事では、介護職にありがちなストレスの原因やおすすめのストレス発散法、自分で自分のストレスに気づく方法について解説します。

 

 

介護職にありがちなストレスの原因は?

ストレスを溜めないために必要なことは、自分のストレスの原因を把握することです。

介護職にありがちなストレスの原因を3つ紹介します。まずはこれらを自分自身に当てはめて考えてみましょう。

 

職場の人間関係(同僚、利用者)

2019年の調査によると、介護職を離職した理由は「職場の人間関係に問題があったため」が男性25.2%、女性22.6%で男女ともに2番目に高い割合でした。

このように多くの介護職員が、職場の人間関係に問題があると感じています。

介護事業所では、男女を問わず幅広い年代の職員が働いているため、同僚と良好な人間関係を構築するのは簡単なことではありません。また中には、理不尽に怒る上司、非協力的な同僚、仕事を丁寧に教えない先輩職員などもいるでしょう。

さらに、介護職の人間関係を難しくするのが利用者の存在です。

介護職は時に、利用者からの暴言や暴力に耐えなければならないこともあります。しかし、円滑に介護サービスを提供するためには、そのような利用者とも良好な関係を築かなければなりません。

他にも、利用者からの介護拒否や、家族からのクレームなど、介護職は多くの人間関係の問題がストレスの要因となりやすい仕事です。

参考)2019年 公益財団法人 介護労働安定センター「介護労働の現状について」

http://www.kaigo-center.or.jp/

 

人手不足による重労働

介護業界は慢性的な人手不足で、2019年の調査においても、介護職員の不足感は69.7%と高い水準でした。

職場で人員が不足していると、必然的に介護職一人に対する仕事が増えます。さらに人手が足りないため、どうしても休みをとりづらく厳しいシフトが続くこともあるでしょう。

このように、人手不足によってかかってくる負担は、介護職のストレスの種になり得ます。

 

身体的な負担

介護職の仕事内容には、身体的な負担のあるものも含まれます。

例えば移乗介助では、利用者が安全に移乗できるよう、しっかりと体を支えるため体力が必要です。ときには自分より重い利用者の移乗介助を行うこともあるでしょう。

また入浴介助では数時間、お風呂場で何人もの利用者のサポートをします。湿度・温度ともに高いお風呂場での介護は、負担の大きな仕事の一つです。

このような仕事内容に加えて、介護職には早朝出勤や夜勤などの変則勤務があります。

不規則な勤務形態では、生活リズムを整えるのが困難です。そのため睡眠不足や疲労回復が間に合わず、身体的な負担が増していきストレスが溜まっていくことがあります。

 

 

ストレス発散方法

仕事のストレスとうまく付き合っていくためにも、自分なりのストレス発散方法を身につけておけたら良いですね。

ここでは仕事中と、プライベートでできるストレス発散方法を3つずつ紹介します。

 

仕事中にできること

仕事中にできるおすすめのストレス発散方法は、以下の3つです。

 

■一人で悩まず相談する

仕事の不安や疑問を一人で抱え込んでいると、次第にストレスは増していきます。不安や疑問をそのままにせず、上司や同僚に相談しましょう。

上司や同僚も似たような悩みを抱えた経験があるかもしれません。そのため、解決策が見つかることや、自分にはなかった視点からアドバイスをもらえることもあります。

また、同僚に不安に思っていることを相談するだけでも、仕事へのストレスは緩和されるものです。

 

■トイレに行って気持ちを切り替える

仕事中にストレスを感じたときには、トイレに行って気持ちを切り替えるのもおすすめです。

トイレという小さなプライベート空間は、ホッと一息つける空間です。また、トイレであれば現場を離れても、同僚から黙認されるでしょう。

それらを利用して、ストレスを感じるときにはトイレで深呼吸をしてみましょう。少しの間でも現場から離れることは、気持ちのリフレッシュに役立ちます。

 

■発想の転換をする

苦手な利用者の対応にストレスを感じたときは、やり方を変えてみるのもおすすめです。

具体的には、苦手な利用者の対応を避けるのではなく積極的に対応するなどです。

最初はうまくいかないかもしれませんが、関わりを増やすことで、コミュニケーションを円滑にするための糸口が見つかり、関係性が変わることもあり得ます。

苦手な利用者と良い関係を築ければ、仕事に対するストレスは軽減するでしょう。また、介護職としてスキルアップを実感できるため達成感も得られます。

発想の転換をすることで、ストレスを感じる状況を自ら好転できるかもしれませんよ。

 

プライベートでできること

多くの方は、仕事中よりもプライベートの方がストレスを発散しやすいのではないでしょうか。プライベートでできるストレス発散方法も確認しておきましょう。

 

■趣味を楽しむ

夢中になれる趣味は、仕事のことを忘れられるためストレス発散に役立ちます。

また、汗をかくこともストレス発散には有効です。そのため、ジョギングやウォーキング、ヨガなどの体を動かす趣味は心身のリフレッシュに効果的です。

カラオケ、映画鑑賞、スポーツなど自分が夢中になれる趣味があるといいですね。

 

■友人に話を聞いてもらう

友人に話を聞いてもらうのも、ストレス発散になります。

気の合う友人との会話は楽しいものですよね。お酒を飲んだり、食事をしたりしながら友人と会話を楽しむことは、仕事のイライラやストレスを忘れるにはうってつけです。

 

■体を休める(睡眠をとる)

しっかり睡眠を取ることで十分に体が休まり、仕事への気力も湧いてくるはずです。ストレスを溜め込まないためにも、睡眠時間を確保することを大切にしましょう。

普段の生活から、寝具にこだわったり、就寝前に暖かい物を飲んだりして良い睡眠がとれるように配慮すると良いですよ。

 

 

自分でできるストレスマネジメント

ストレスの原因を知り、うまく対処しながらストレスと付き合っていくことを「ストレスマネジメント」といいます。

ストレスマネジメントのためにも、自分で自分のストレスに気づくことは重要です。

 

ストレスチェックをする

ストレスが深刻な状態では、身体面、心理面、行動面でサインが出るので、以下のサインが出ていないかどうか、定期的にストレスチェックを行うようにしましょう。

・不眠、過食、食欲不振

・疲労、だるさ、肩こり

・めまい、動悸、頭痛

・イライラ、不安感、気分の落ち込み

・無気力、遅刻や欠勤 等

ストレスチェックをすることは、自分のストレスの度合いや原因を把握するのに役立ちます。サインが増加していないかに注目し、ストレス状態にあると判断できる場合は対策を考えましょう。

 

ストレス対策をする

ストレス対策は、原因もセットにして考えると効果的です。

例えば体力的に辛いのであれば、十分な休息をとりつつ、筋力トレーニングで筋力アップを図るという具合です。

仕事のどの部分にストレスを感じるのか、自分が把握することで適切に対処をすることができるでしょう。

 

 

まとめ

介護職は、確かに心身ともにストレスを感じやすい仕事ではありますが、同時に人の役に立ち、感謝される、やりがいのある仕事です。

仕事中やプライベートでの過ごし方を工夫し、ストレスとうまく付き合えたら良いですね。

ストレスの多い介護職を長く続けるためにも、普段からのストレスマネジメントで、ストレス状態の早期発見、対策で悪化の予防につなげましょう。