ケアマネージャー(介護支援専門員)とは? 仕事内容と役割を解説!

2020-03-06 15:46:00

介護や支援を必要とする人やその家族と相談しながら、適切なサービスが受けられるように調整・管理する「ケアマネージャー」。介護サービスを必要とする人と介護事業所をつなぐ重要な役割を担っていて、高齢化が進む現代ではその需要も増しています。

今回は、ケアマネージャーを目指す方のために、ケアマネージャーの役割や仕事内容について詳しく解説していきます。

ケアマネージャー(介護支援専門員)とは

「ケアマネージャー」というのは、2000年4月に施行された介護保険制度の下に誕生した公的資格のことで、正式名称を「介護支援専門員」といいます。介護や支援を必要とする人が、自分らしく生活するために適切な介護サービスを継続的に受けられるよう、介護事業所との間に立ってさまざまな調整や管理を行うのが主な仕事です。

ケアマネージャーの役割と求められるスキル

ケアマネージャーの役割は、支援や介護を必要な人が、その心身の状況に応じて適切なサービスを利用できるようにすること。そのために、自治体やサービス事業者との連絡や調整などを行います。一人ひとり事情や要望の異なる利用者に応じて、それぞれに合ったケアプランを提供しなくてはいけないため、ケアマネージャーとして働くためには介護に関する幅広い専門知識だけでなく、以下のようにさまざまなスキルが求められます。

コミュニケーション能力

ケアマネージャーの仕事をする上で、人と関わることは避けては通れません。一般的にケアマネージャーは一人で多くの利用者を受け持ち、それぞれ事情の異なる利用者に対して一人ひとりに合ったケアプランを作成する必要があります。介護を必要とする人や介護事業者との信頼関係を構築し、要介護者にとって満足できるケアプランを提供するためにも、高いコミュニケーションスキルが不可欠でしょう。

スケジュール調整能力

ケアマネージャーの仕事は、利用者との面接や事業者への連絡など多岐に渡ります。担当する利用者が多ければ多いほど、時間のやりくりが必要になるためスケジュールの調整能力は不可欠です。何を最優先に行うべきかを的確に判断し、限られた時間のなかでベストを尽くすことが求められるのです。

事務処理能力

ケアマネージャーは利用者や事業所とのやりとりだけでなく、事務的な仕事を実に多くこなさなくてはいけません。例えばケアプランを作成するだけでも、5種類の書類を揃える必要があります。日常的に数多くの書類を作成しながら、利用者と向き合う時間を確保していくためには、高い事務処理能力も不可欠です。

ケアマネージャーの仕事内容

ケアマネージャーの仕事は主に、市町村から委託を受けて要介護者を訪問し、心身の状態を確認する「要介護認定業務」や、利用者の健康状態に応じた「ケアプランの作成」、支給限度額の確認や利用者負担額の計算といった「給付管理業務」、利用者やその家族とコミュニケーションをとりながら希望や問題を聞き取る「相談業務」など多岐にわたります。このなかでも、ケアプランの作成はケアマネージャーにしか出来ない仕事です。

また、ケアマネージャーには、老人ホームやデイサービスなどの介護福祉施設で働く「施設ケアマネ」と、自宅で介護を受ける人を対象とした居宅介護支援事業所で働く「居宅ケアマネ」という2種類の働き方があります。この2つの最も大きな違いは担当する利用者の人数で、施設ケアマネが100人ほどを担当するのに対し、居宅ケアマネは最大でも35人程度です。

ただし、居宅ケアマネは自宅で介護を受ける人を対象としているため、利用者一人ひとりに合った対応をする必要があり、より専門的で幅広い知識が求められます。どういう働き方をするかによって細かな仕事内容も異なるため、事前にきちんと確認しておくことが大切でしょう。

ケアマネージャーのやりがい・メリット

問題や不安、悩みを抱えた要介護者やその家族に寄り添い、最良のケアプランによって状況を改善していくケアマネージャーの仕事は、利用者やその家族が喜ぶ姿を間近で見守ることができます。自分の関わりによって、利用者が自分らしい生き方を実現できるということは大きなやりがいのひとつと言えるでしょう。

また、本格的な高齢社会を迎えた現代の日本では、ケアマネージャーという仕事が社会全体に認知されてきていて、今後ますますそのニーズは高くなると言われています。キャリアプランとして資格を取得することで、活躍の場が広げられるという点も大きなメリットです。

ケアマネージャーになるには

ケアマネージャーになるためには、「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があります。この試験を受けるためには、社会福祉士や介護福祉士、精神保健福祉士といった「該当する国家資格を持ち、5年以上かつ900日以上の実務経験を持つ人」、もしくは「生活相談員や相談支援員などの業務で5年以上かつ900日以上の実務経験を持つ人」という条件を満たしている必要があります。

これらの条件を満たした上で、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、さらに実務研修(15日間の講習+3日間の実務)を経てはじめて、ケアマネージャーとして認められるのです。

今後もニーズが高まると言われるケアマネージャー。上記でご紹介した内容を参考にして、ケアマネージャーの資格取得を目指してみましょう。