生活相談員とは? 必要な資格と仕事内容

2020-03-06 15:40:59

「生活相談員」は、デイサービスや介護老人福祉施設、介護老人保健施設といったさまざまな施設で活躍する職種のひとつで、「ソーシャルワーカー」と呼ばれることもあります。高齢者の自立支援やさまざまな問題解決のためのサポートをする大切な仕事で、本格的な超高齢社会を迎えた現代には欠かせない存在です。

そこで今回は、生活相談員という職種について、必要な資格や仕事内容を詳しく解説してきます。

生活相談員とは

生活相談員は「ソーシャルワーカー」とも呼ばれていて、もともと1963年に制定された老人福祉法では「生活指導員」という名称でしたが、2000年に介護保険制度ができたことによって生活相談員という名称に変更されました。

主に特別養護老人ホームやデイサービスなどの介護福祉施設を活躍の場としていて、施設を利用する高齢者とその家族の相談、施設の手続きや調整、高齢者が住んでいる地域との連携など、介護福祉サービスに関わるさまざまな業務を担っています。

生活相談員に資格は必要?

生活相談員として働くためには、「社会福祉士」や「精神保健福祉士」といった国家資格、または大学などで社会福祉に関する科目を3科目以上履修して卒業した人が取得できる「社会福祉主事任用資格」が必要です。

ただし、自治体によってはこれらの資格を持っていなくても、一定の条件を満たしていれば生活相談員として認められる場合もあります。具体的な経験や資格は自治体によっても異なりますが、たとえば介護支援専門員(ケアマネージャー)やケアプランの作成にかかわる実務経験、老人福祉施設の施設長の経験など、独自の条件を設けている自治体もあります。「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」の資格を持っていなくても生活相談員として働ける可能性もあるので、それぞれの自治体の資格要項を確認しましょう。

生活相談員の働く場所

介護サービスを利用する高齢者とその家族のサポートをする生活相談員は、さまざまな場所で必要とされている職種です。施設によっては配置基準が定められている場合もあります。では、具体的に生活相談員はどのような場所で働くことができるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

デイサービス

要介護認定を受けた方が、自宅での生活を続けていくために、身体機能の維持・向上をめざす通所型の介護施設です。リハビリやレクリエーションなどに参加することで認知症の予防や社会的孤立感の解消を図ります。1名以上の生活相談員の配置が定められています。

ショートステイ

ショートステイというのはその名のとおり短期間だけ施設に入所して介護や支援が受けられるサービスのことです。利用者100人につき1名以上の生活相談員の配置が定められています。

特別養護老人ホーム

中度〜重度の介護を必要とする要介護3以上の高齢者が対象の介護施設のことです。利用者100人につき常勤で1名以上の生活相談員の配置が定められています。

介護老人保健施設

医療ケアやリハビリを必要とする65歳以上の要介護状態の高齢者が対象の介護施設のことです。原則として自宅に戻ることを前提としているため、3〜6ヶ月程度の短期間で退去しなくてはいけないのが一般的です。利用者100人つき常勤で1名以上の生活相談員の配置が定められています。

生活相談員の仕事内容

生活相談員の仕事は、働く施設の種類や規模、経営理念などによっても異なりますが、基本的には介護サービスを利用する高齢者とその家族の窓口業務が中心です。では、具体的にどのような仕事があるのでしょうか。主な仕事内容を詳しく見ていきましょう。

各種手続き業務

さまざまな介護サービスを利用するための契約や、施設への入所・退所の手続きを行います。

サービス利用者との面接

必要な援助を提供するために、介護サービスを利用する方や、施設に入居する方の面接を行います。

利用者や家族からの相談対応

介護サービスを利用している方やその家族からのさまざまな相談に応じ、困っていることや問題の解決を手助けします。

職員との連携

実際に介護に携わっている職員やケアマネージャーなど関係各所との連絡や連携を行います。

地域との連携

生活の支援が必要な高齢者などについて、地域と連絡・連携を取りながら必要なサポートを提供していきます。

生活相談員になるには

生活相談員になるためには、「社会福祉士」や「精神保健福祉士」の国家資格、または「社会福祉主事任用資格」が必要です。社会福祉士と精神保健福祉士、福祉系大学で指定科目を履修するルート、一般の大学を卒業後に実務経験を積んで受験資格を得るルートなどを経て国家資格に合格する方法があります。また、社会福祉主事任用資格は、大学などで社会福祉に関する科目を3科目以上履修して卒業した人が取得することが可能です。

自治体によっては実務経験など一定の条件を満たすことで生活相談員として認められることもあります。生活相談員として働きたい施設のある自治体の条件を事前に確認しておくと良いでしょう。

高齢者とその家族に必要な介護サービスを提供する窓口となる生活相談員。上記の内容を参考にした上で、目指してみてはいかがでしょうか。