グループホームの仕事内容とは? 施設の特徴や夜勤について

2020-05-07 11:40:29

認知症の高齢者を対象としたグループホームは、地域に根差した家庭的な環境のなかで介護サービスを提供する施設です。今回は、グループホームでの仕事に興味がある方のために、施設の特徴や仕事内容について、詳しく解説していきます。

グループホームとは

グループホームというのは、在宅での生活が難しい認知症高齢者のための入居型施設のことです。対象は65歳以上で、要支援2または要介護1以上の認定を受けている高齢者で、65歳未満であっても若年性認知症や初老期認知症と診断され、要支援2または要介護1以上の認定を受けていれば入居することができます。

グループホームの特徴は、一般家庭に近いアットホームな環境で、利用者同士が少人数(1ユニット5〜9人程度)の共同生活を送るという点です。利用者は介護スタッフと一緒に食事の準備や洗濯、掃除などの家事を行うことで、認知症の進行を和らげて身体機能の維持を目指します。

また、グループホームは要支援2の方が対象の「介護予防認知症対応型共同生活介護」と、要介護1以上の方が対象の「認知症対応型共同生活介護」という2つの種類に分類されていて、それぞれに合った介護サービスを提供しているのも特徴です。

グループホームの仕事内容

グループホームで働く介護士の仕事は、ひと言でいうと「入居している高齢者の日常生活のサポートをする」ことです。前述したとおり、グループホームの役割は「認知症の進行緩和」と「身体機能の維持」を目指すことですので、手を出しすぎずに見守りながら自立を支援していきます。

認知症の方というのは、環境が大きく変わることで混乱してしまうことがあるため、スタッフと利用者、または利用者同士ができるだけ顔なじみの関係を作り上げ、家庭に近い環境で安定した共同生活を送ることが理想的です。食事の支度、掃除、洗濯などの家事や、レクリエーション、散歩などを利用者の家族のような立ち位置で寄り添いながらサポートしていくことが求められます。

グループホームの仕事の流れと働き方

グループホームは入居型の介護施設ですので、24時間体制で利用者のサポートが必要です。勤務時間は施設によって異なりますが、9時間拘束で1時間休憩であることが多いです。そして、1日の勤務を日勤と夜勤の2つに分ける「2交代制」と、早番、遅番、夜勤の3つに分ける「3交代制」があります。

では、実際にグループホームで働く介護職の、1日の仕事のおおまかな流れを見ていきましょう。

7時/起床

利用者の方が気持ちよく目覚めることができるように、声かけをします。起床介助や着替え、洗面の介助が必要な方にはそれぞれサポートをします。その後、検温や血圧測定といったバイタルチェックを行い、利用者のその日の体調を確認するのが一般的です。

8時/朝食

利用者の方と一緒に朝食の準備をします。必要な方には食事やお薬の介助も行います。食事のあとは、歯磨きなどの口腔ケアをサポートします。

9時/洗濯・掃除など

掃除や洗濯など身の回りの片付けをします。身体機能を維持するためにも、利用者が自分でできることは、基本的には手を出しすぎずに声かけをしながら見守ります。

9時30分/申し送り

日勤の方が出勤したら、夜間の様子やその日の健康状態などを申し送りします。

10時30分/レクリエーション、自由時間

身体機能を高めるためのリハビリや、レクリエーション、散歩など利用者がめいめいに好きなことをして時間を過ごします。

12時30分/昼食

利用者の方と一緒に昼食の準備をします。必要な方には食事やお薬の介助も行います。食事のあとは、歯磨きなどの口腔ケアをサポートします。

13時30分/入浴、バイタルチェック

施設によっては午前中に入浴時間を設けているところもありますが、入浴前にはバイタルチェックを行って健康状態を確認するのが一般的です。

17時30分/申し送り、夕食

利用者の方と一緒に夕食の準備をします。必要な方には食事やお薬の介助も行います。次のシフトの職員と交代する場合には、申し送りも行います。

20時30分/就寝準備

口腔ケア、着替えなどをして就寝準備を行い、21時30分頃に消灯します。

グループホームの介護職に求められるスキル

グループホームは、認知症の高齢者を対象とした施設ではあるものの、身の回りのことを自分でできる比較的状態の安定した方が多いため、未経験や無資格であっても採用してくれる施設はたくさんあります。施設によっては初任者研修などの資格取得をバックアップしてくれるところもあるため、働きながら経験を積んでスキルアップをめざすことも可能です。

また、グループホームでは、ケアマネージャー(介護支援専門員)を必ず置かなければいけないと法律で決められているため、ケアマネージャーの有資格者は採用や待遇面で有利になる傾向があります。

グループホームで働くにはどんな人が向いている?

グループホームは入居している認知症の高齢者と一緒に、家庭的な雰囲気の中で生活を共にします。食事の準備や掃除、洗濯などは手を出しすぎずに見守ることが大切で、一人ひとりに合った必要な声かけをしながらサポートしていきます。

そのため、他の介護施設と比べるとコミュニケーション能力が求められる場面が多く、状況に応じて自分で考えながら臨機応変に動くことができる人が向いているでしょう。少人数を相手にじっくりと関係性を築いていくことが得意な方は、グループホームでの仕事にすんなり馴染めるのではないでしょうか。

 

グループホームは家庭的な環境の中で、少人数を相手に細やかなケアができるのが魅力です。介護職としてのスキルを磨くこともできるため、これから介護業界にチャレンジしたいという方はグループホームでの仕事を検討してみてはいかがでしょうか。