介護職が働く施設にはどんな種類がある?施設の特徴と仕事内容

2020-05-07 14:52:28

転職先や子育てがひと段落した後のセカンドキャリアとして、介護の仕事をしてみたいと思ってはいるものの、どんな施設があるのか今ひとつ分からないという方は意外に多いのではないでしょうか。そこで今回は、これから介護職としての仕事を希望する方のために、介護施設の種類とそれぞれの仕事内容について詳しく解説していきます。

介護職が働く施設の種類と特徴

介護施設にはたくさんの種類があって、それぞれに対象となる利用者や仕事の内容、勤務形態、求められる資格や経験というものは異なります。いざ仕事を始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔することがないように、介護職としての仕事を検討の際には、あらかじめ各施設の特徴などを正しく理解しておくことが大切でしょう。

では、実際に介護職として仕事をする際、どのようなフィールドで活躍することができるのでしょうか。主な施設の種類と特徴を詳しく見ていきましょう。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、主に寝たきりや認知症など、常時介護が必要な高齢者を対象とした入居型の施設です。自治体や社会福祉法人が運営しているケースが多く、公的な要素が強いのが特徴です。

特別養護老人ホームには要介護3以上の比較的重度の方が入居しているため、介護職の仕事も食事や排泄、入浴の介助や、移動介助、シーツ交換といった身体介護の占める割合が大きくなります。勤務形態は日勤、夜勤、早番、遅番などのシフトに別れて24時間対応するのが一般的です。

有料老人ホーム

有料老人ホームは民間企業が運営していて、その種類は大きく「健康型」、「住宅型」、「介護付き」の3タイプに分類することができます。入居者の状態はそれぞれのタイプによっても異なり、要介護度の高い方が入居する「介護付き有料老人ホーム」では、食事、排泄、入浴の介助をはじめとする身体介護を中心に仕事を行います。

一方、「住宅型」や「健康型」に入居している型は比較的要介護度が低く、身の回りのことを自分でできる方が多いため、身体介護よりも生活支援がメインになるケースが多いようです。勤務形態はいずれも、特養と同様に交代制が一般的です。

介護老人保健施設

介護老人保健施設は、社会福祉法人や医療法人などが運営する公的な施設で、自宅に戻ることをめざして、医学的指導のもと介護やリハビリを受けるのが特徴です。

身体機能の回復を目的としているため、理学療法士や作業療法士などの指示に従って、介護職がリハビリをサポートすることもあります。多くの入居者が基本的に数ヶ月の短期入所となるため、介護職の方には入れ替わる入居者の状態をそれぞれきちんと把握する能力が必要でしょう。

グループホーム

認知症の高齢者を対象とした施設です。介護職の方は、少人数の高齢者とともに、家庭的な環境のなかで共同生活を行います。排泄や入浴介助といった身体介護のほかに、買い物の付き添いや掃除、洗濯の手伝いといった生活支援など、入居者一人ひとりに合わせたサポートをしなくてはなりません。また、認知症患者の方と接するため、認知症に対する理解とコミュニケーション能力も必要です。

サービス付き高齢者向け住宅

住宅型有料老人ホームと同様に「高齢者向け住宅」という位置付けで近年増えているのが、「サービス付き高齢者向け住宅」です。基本的にはバリアフリーの居室で、安否確認や生活相談などのサービスを提供するのがメインのため、直接介護を行うことはありません。

デイサービス

デイサービスは通所型の施設で、主に食事や入浴、レクリエーション、リハビリといった介護サービスを提供しています。高齢者を自宅まで送迎し、日中を施設で過ごしてもらいます。比較的要介護度の低い方が多いため、身体介護は少なめですが、利用者が楽しみながら機能回復を目指すことができるようなレクリエーションを考えたり、利用者と積極的に交流したりすることが求められます。

デイサービスで勤務する場合は基本的に日勤ですが、施設によっては「お泊まりデイサービス」を行なっているところもあるため、その場合は夜勤に入らなければならない場合も。

ショートステイ

ショートステイはその名の通り、連続利用日数30日までの短期間だけ入所することができる施設です。主な目的は、在宅で高齢者を介護している家族の負担を軽減することで、出張や旅行などで介護ができない時の宿泊先としても使われます。

ショートステイで働く介護職の主な仕事は身体介護や生活支援ですが、認知症の高齢者は環境の変化で状態が不安定になることも多いため、不眠や昼夜逆転といった状態に柔軟に対応できるスキルは必須です。

小規模多機能型施設

小規模多機能型施設は、2006年の介護保険制度の改正で新しく誕生したサービスです。その特徴は、さまざまな介護サービスを複合的に受けることができるという点です。在宅で暮らす高齢者が、デイサービスや訪問介護、ショートステイなどを複合的に利用することによって、切れ間なくサービスを受けることができます。

 

いかがでしたか? 介護職を希望する方が活躍できる場所はたくさんあります。介護の仕事をお探しの場合には、ぜひ上記で紹介した内容を参考にして、自分にぴったりの職場を探してみましょう。