介護職を目指そう! 介護の仕事の魅力とやりがい
2020-04-14 15:34:00
2020-04-14 15:59:09
介護保険制度に関連した専門資格であり専門職である「ケアマネジャー」。資格を取得するにはどのようなプロセスを経る必要があるのでしょうか。ケアマネジャーになるための方法について解説します。
ケアマネジャーとは、介護や支援を必要とする人の相談や心身の状況に応じて、介護サービスなどの提供についての計画(ケアプラン)の作成や、市町村・サービス事業・施設、家族などとの連絡調整を行う職業です。介護保険法上の正式名称は「介護支援専門員」ですが、一般にケアマネジャー、もしくは略してケアマネと呼ばれます。
ケアマネジャーの仕事の中でもとくに重要なのがケアプランの作成です。ケアプランとは被介護者とその家族に向けて適切な支援や介護を提供するための計画書です。大きく分けると「居宅サービス計画」「施設サービス計画」「介護予防サービス計画」の3つがあり、いずれも専門的な知識がなくては作成することができません。
また、プラン作り以外にも、利用者が適切な介護保険サービスを受けられるよう自治体や事業者に働きかけるのも大きな役割です。さらに、要介護認定に関する業務、給付管理に関する業務もケアマネジャーが担います。
ケアマネジャーになるには、公的資格である「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格しなければなりません。この試験の受験資格は、以下のいずれかです。
医師や看護師などの資格を持ち、さらにその資格本来の業務に通算5年以上かつ900日以上従事した経験がある人です。
該当資格は、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、管理栄養士、精神保健福祉士です。
施設等の相談援助業務に、通算5年以上かつ900日以上従事した経験がある人です。
たとえば、養護老人ホーム・特別養護老人ホーム・軽費老人ホームにおける主任生活相談員、生活相談員、入所者の生活・身上に関する相談・助言や日常生活の世話を行う職員などが該当します。
ケアマネジャーになうためのステップは次のとおりです。
まず、上述した受験資格を満たしている必要があります。
次に、都道府県の実施する「ケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)」を受験し、合格を目指します。
試験に合格後、「介護支援専門員実務研修」の全日程を受講し、レポートを提出します。
1~3を経て登録を申請すると、介護支援専門員証が交付されます。ただし、その後も5年ごとに更新が必要です。
2019年度のケアマネ―ジャー試験の受験者は3万509人、合格者数は5,644人でした。合格率は18.5%です。
また、前年である2018年のケアマネジャー試験の合格率は10.1%でした。この合格率は過去最低値で、これまでで最も低かった2016年度の13.1%を3ポイント下回りました。さらに、2017年の合格率は21.5%でした。
ケアマネジャーは利用者が適切な介護サービスを受けられるよう、利用者とサービス事業者との間のパイプ役となって業務をこなしていきます。その際、以下のような能力が必要となります。
支援や介護を必要とする人にはそれぞれ個別の事情や要望があります。ケアマネジャーは利用者一人ひとりの状況をしっかりと把握し、最適なケアプランを考え、事業者との調整を図らなければなりません。
利用者、その家族、事業者、自治体など、ケアマネジャーは多くの人と話をします。必要なことを聞き出し、プランを提案し、理解を求め、信頼関係を築いていきます。コミュニケーション能力は、状況判断能力と同時に最も必要とされるベーシックな能力といえます。
ケアプランをはじめとする書類を作成する能力も欠かせません。給付管理業務では「サービス利用票」や「サービス提供票」などの書類も作成し、提出します。正確かつ効率的にこれらの事務仕事をこなしていくことが求められます。
介護保険、関連法規、介護サービス、医療などに関する豊富な知識も必須です。これらは一度学べば終わりというものではなく、常に最新の情報を得て知識を刷新していくことも要求されます。
ケアマネジャーは自宅で暮らす利用者を対象とした訪問介護でも、特別養護老人ホームなどの施設でも活躍できる職業です。資格を取得するには高いハードルが設けられていますが、利用者と家族にとって最適なケアプランを作成し、より良い介護サービスを提供することに魅力を感じる人が多くいます。介護業界とケアマネジャーという専門職に興味ある人は、ぜひ資格取得を目指してみてください。