認定介護福祉士になるには? 資格の役割や取得方法について

2020-06-03 15:28:09

認定介護福祉士は2015年に民間資格としてスタートした、介護福祉士の上位資格です。後に続く人材の教育もできる介護のエキスパートを養成する目的があります。ここでは、認定介護福祉士の特徴や役割、取得条件などを詳しく紹介します。

認定介護福祉士とは

認定介護福祉士とは、国家資格である「介護福祉士」の上位資格として位置づけられている資格です。「一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構」が2015年から開始した民間資格で、介護分野のエキスパートを育成するための資格として考えられています。

認定介護福祉士は多様化する介護施設の利用者・入所者に対応するためのスキルと知識を習得することを目的とし、介護業界の質の向上や後進の人材育成にも関与します。まだ認定が始まって間もない資格ではありますが、介護福祉士より上位に置かれている資格として、レベルアップを目指す介護士に注目されています。

認定介護福祉士と介護福祉士の役割と違い

認定介護福祉士は介護士のキャリアパスの中でも最上位に位置づけられており、介護福祉士との違いは「役割の多さ」にあります。認定介護福祉士は介護士たちの中ではチームリーダーとしてグループをまとめ、連携を取りながら介護の円滑化に貢献することが求められます。介護施設を訪れるご家族・医療関係者・療法士のニーズを把握する役割も担っています。

介護福祉士は入所者の介護に特化した資格ですが、認定介護福祉士は介護福祉士として一定期間実務経験を積んでいるので、介護の仕事を熟知したうえで他の役割も担っていきます。

具体的には職場内での教育指導や地域の包括ケアの促進、家族介護者やボランティアとの連携を図っていきます。今後さらに高齢者の数が増えるにしたがって、介護施設だけではなく家庭での介護の機会も増えていくため、高度な介護人材の育成が欠かせません。認定介護福祉士は家族介護者と直接接しながら、介護力を引き出して地域の介護スキルの向上に努めます。

直接的な介護だけではなく、サービスの提供方法や新しい知識・技術のチーム内への反映と浸透にも力を発揮し、マネジメントスキルやコミュニケーション力をもって、事業所や施設内における業務を広く見渡すことが期待されています。

認定介護福祉士になるための必須条件

認定介護福祉士は介護福祉士として5年以上の実務経験があること、「認定介護福祉士養成研修」の受講を行うことが必須条件となります。認定介護福祉士養成研修は科目ごとにスケジュールが組まれているため、そのスケジュールに沿って学んでいくと取得に1年以上の期間がかかります。こうして研修を修了し、申請後に受理されれば資格取得となります。

認定介護福祉士の資格を取得する方法

認定介護福祉士の資格を取得するためには、介護福祉士の資格を取得してからの実務経験が5年以上あることが第1の条件となります。その後、認定介護福祉士養成研修にて600時間の講義を受講し、レポート提出または試験を受けて合格しなければなりません(Ⅰ類のみ。200時間以上の受講を行うと、レポート提出または試験が免除されます)。

認定介護福祉士養成研修のカリキュラムは、医療・リハビリ・福祉用具と住環境・認知症・心理・社会的支援などについての知識を学ぶ「認定介護福祉士養成研修Ⅰ類」と、Ⅰ類の知識をもって介護実戦の指導や応用力を養う「認定介護福祉士養成研修Ⅱ類」で構成されています。Ⅰ類では疾患や障害をもつ方への支援や個別介護計画の記録について、Ⅱ類ではチームマネジメントや法令理解、介護領域の人材育成などについて学びます。

住まいの都道府県や自治体の補助金制度を活用すれば、本来の受講費用よりも安く資格を取得することができます。長野県介護福祉会が公開している情報では、認定介護福祉士の取得にかかる費用は609,000円(税込)で、長野県の介護福祉会に所属している会員は補助金制度を利用することで357,000円(税込)のみの実費負担となっています。受講期間は平成31年7月20日(土)から令和3年4月までの全42日間です。

認定介護福祉士の魅力・メリット

認定介護福祉士の資格を取得すると、介護福祉士からさらに一歩進んだ領域まで知識を広げ、身につけることができます。講習で身につけた知識やスキルを職場で活かすことで、より丁寧な介護サービスが提供できるようになり、なくてはならない人材として重宝されます。

勤務環境によっては理学療法士や看護師など他の職種との関わりが増えて新たな発見や刺激が得られたり、職場内の人材育成に直接関わったりと、多方面での活躍が可能になります。待遇面でも、介護職の上位資格として給与アップが期待できるほか、転職活動にも有利にはたらくはずです。

 

認定介護福祉士の資格を取得すると、利用者や入所者一人ひとりに対する質の高い介護が可能になり、介護施設のマネジメントや後進の教育にも携われる、オールラウンダーな介護士として活躍できます。給与アップや転職にも有利な資格であり、他の介護士との差別化にも役立ちます。実務経験を積むほどハイレベルな認定介護福祉士としてスキルが磨かれていきます。介護福祉士の資格を取得したら、ぜひ認定介護福祉士の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。