介護職の転職理由を調査!転職したい理由を言語化するコツとは?

2021-08-03 23:01:03

「給与額をもう少しあげたい」「職場の人間関係にストレスが溜まっている」仕事上のお悩みは人それぞれ。そんなときに浮かんでくる選択肢の一つが転職です。

しかし、自分の感覚だけで、転職を検討して失敗したくない。そう悩んでしまう人もいるでしょう。

今回は、介護職における転職経験者の理由を調査した上で、転職したい理由を言語化するコツや面接時のポイントをまとめました。

 

どんな理由で転職しているの?

【アンケートの概要】調査対象:全国、20歳以上でサービス業か医療業を勤務先とする4401名に事前調査の上、介護職から介護職への経験者である111名に本調査を実施。調査日:2020年11月10日~2020年11月14日。調査手法:インターネット調査

 

最も多い転職理由は「給与の額(54.9%)」です。やはり同様の条件なら給与額が高いところに行きたいというシンプルな理由で転職される方が多いようです。厚生労働省の調べでは介護職における賃金に関する満足度は「やや不満足(27.0%)」「不満足(15.7%)」を合わせると42.7%で、満足度は-24.5%となっています。

次に高いのは「職場の人間関係(40.2%)」です。

「ミスや事故が起きたときに、個人を責めるような空気感があり、職場がギスギスしていた。お互いが助け合うのではなく、責任をなすりつけ合う職場だった」

「施設長や現場リーダーと介護観が合わず、利用者のことを考えて行動を起こしたくても制限が多かった」という声などもあり、人間関係のみならず、運営方針や業務内容に通ずる不満や、職場全体の空気感や風土に違和感をおぼえるケースもあるようです。

また、管理者側と職員の人員配置や採用の方向性の違いにより、職員の負担が増していき転職を考えるケースもあるようです。

「介護老人保健施設で勤務していた。しかし離職率が高く、残った職員に業務のしわ寄せが来ている状況で、改善される兆しもなく転職を検討した」

厚生労働省によると、職場環境における悩み・不安・不満において、人手不足についての不満を感じる人は53.0%となっています。

 

画像引用:厚生労働省「介護労働の現状」より

その他にも「勤務時間の長さ(34.8%)」や「休日の少なさ(23.4%)」などが挙げられ、これも広義でとらえれば人手不足に起因する事柄とも言えます。

また、人間関係の悩みの原因は同僚や上司だけではなく、利用者やその家族との間に生じる場合もあります。

「ご家族の意思と、利用者の意思が一致せず、間に挟まれて悩んでしまった」

「利用者の乱暴な言動やセクハラ的な発言が繰り返しあり、苦痛だった」

 

周囲の職員に相談できればいいですが、人手が足りず自分一人でなんとかしようとして抱え込んでしまう場合もあるようです。

自分が転職したい理由を言語化するコツとは?

 

転職という言葉が頭によぎったときに、まず何をするのがいいのでしょうか。選択肢の一つとして、冷静に自らの考えや思いを見える化してみるのがおすすめです。自らの思いを一覧やチャートにすることで、自分が働く場所に求めるもの大切にしていることが具体的に見えてくるかもしれません。

 

見える化する例

①転職をしたい理由を思いつくままに書き出す

・上司と人柄/方針が合わない ・給与が低い ・残業が多い  ・このままでは将来が不安

※いきなり整理された言葉で出そうとせず、とりあえず書き出しましょう

※「今の職場で不満に思っていること」「苦手意識のあること」「利用者との理想の関係」「自分が職場に求めること」などのテーマを立ててみて書き出してみるのもおすすめです

 

②上記で書き出した理由で、優先順位を立てて、一つ選び更に深堀してみる(何故〇〇なのか)

・なぜ上司と合わないと感じるか

 →ミスがあっても「現場の不注意」だけを理由に終わらせ、根本解決をしようとしない

 →年次の低い職員だけに辛い仕事を任せる風潮を作っている

・なぜ給与が低いのか

 →昇給の制度や評価制度が無い(あっても不透明)

 →資格を取れば昇給するが、勉強する時間が取れない

・なぜ残業が多いのが

 →人手が足りないために、通常勤務時間内では消化出来ない業務量になっている

 →新人が多くペースが遅い or 勤務歴が長い人がこなさなければならない業務が多い

 

③問題を解決する方法を考える

・ミスがあると上司は現場だけの責任にし、根本解決をしようとしない

 →同じ意見を持つ人と連帯し意見を出すことは出来ないか

・年次の低い職員だけに辛い仕事を任せる風潮を作っている

 →直接の上司の管理者に現状を伝え、職場環境を変えるよう訴えることは出来ないか

・昇給の制度や評価制度が無い(あっても不透明)

 →KPIやKGI設定の重要性を上司に伝えることで評価制度の導入を促せないか

・資格を取れば昇給するが、勉強する時間が取れない

 →休みの日に通える講座などを利用して取得できないか

 

上記のものはあくまで例ではありますが、自分が感じている感覚を言語化してみることで、自身が転職したい理由や職場に求めているもの、介護で大切にしたいことなどが見えてくるかもしれません。

もちろん、一人で考えるだけではなく、近い境遇の方に相談してみたり、出来るのであれば上司に相談するのもおすすです。

面接などで転職理由や志望動機を伝えるときの注意点

転職を決意し、応募まで完了すれば、待っているのは面接。必ず聞かれると言っても良いのが『志望動機/前職を辞めた理由』です。

準備がおろそかになってしまうと、自分の伝えたいことが伝わらず、いい出会いがあっても、そこでは採用してもらえない可能性もあります。面接時に抑えておくべきポイントはなんなのでしょうか。

前職をむやみやたらに批判するのはNG

あなたが、面接官だったとします。今日面接に来た方、履歴書には介護職の経験もあり、第一印象も会話している感じも好印象を抱いていました。

一応聞いておこうと、「前職を辞めた理由は何でしょうか?」と質問をしたときに「上司が自分勝手で、しっかり評価もしてくれず、給与も低くく、こんなところでは働いていられないと思い退職しました」と言われたとします。

この部分だけ切り取ったとき、好印象とは言えません。上記は極端な例ですが、面接で漠然とした不満を面接官に伝えても良い印象にはつながらないケースが多いです。

不満に感じた理由を具体的にする

前項で延べた通り、前職の不平不満を漠然と面接官へ伝えてもマイナスイメージが募るばかりです。

そこで大事なのは、不満に感じた理由を具体的にして、客観的に眺めておくことです。

 

・上司が評価してくれなかった

→なぜ評価してくれないと感じたのか、実際に働いているときの状況を具体的にしておく

→どういう人が評価されているのか、その評価の物差しに対して自分はどう思ったのか、あえて上司の立場になって考えたときに、なぜそのような評価をするのかなどを書き出す

 

物事を具体的にして、分析しておくことで、ただ不満があっただけではなく、どういった視点を持ち仕事をしていたのかなどが面接で伝わるようになるでしょう。

転職活動は自らの思いを整理することが大切

転職活動において、大切なこと。それは自分が何を理由に転職に踏み切ったかを明確に自分の中で整理し、採用側へ熱意にして伝えることでしょう。

自分のが何に働きづらさ感じるか、職場に求めるものはなにかを明確化出来ていないと、

転職理由や志望動機がぶれてしまう場合もあります。だからこそ、自身の思いに立ち止まり見える化することが大切です。一人で考えるのが得意な人もいれば、誰かに相談しながら考えていくのが合う人もいます。自分自身にあった形を見つけるためにも、まずは小さな行動に移してみてくださいね。