今後の選択肢は?「ケアマネを辞めたい」と思ったときの対処法
2021-04-15 00:58:00
2021-05-13 13:26:19
人生の中でも大きな決断の一つとなる「転職」。
就職や転職の常識が、時代とともに変わりゆく中で、今後ますます需要が高くなる介護業界は転職先として人気があり、未経験の方も参入しています。
ですが誰もが「成功した」と思えているわけではなく、働き始めてから半年以内に職場を去ってしまう方も多いのが現状です。
「もっと慎重に検討すればよかった」「前の職場の方が良かったかもしれない」と思う前に、今回は失敗例と失敗しないために大事なポイントを解説します。
転職して3ヶ月や半年で辞めてしまう人も珍しくはありません。辞めてしまった人にはどんなことを理由に上げているのでしょうか?
「明日にでも今の職場を辞めたい」「とりあえず辞めたい」など今の職場を退職することが第一優先になり、内定が出た一社を快諾、環境や条件を吟味しないで次の職場を決めてしまうケースが多々あります。
自分が働きやすいと感じる環境、職場とは何かがわからないまま転職し、後悔している方もいるかもしれません。
施設で働くとき、早番、日勤、遅番、夜勤の4交替シフト勤務のところが多いです。
・希望休がどのくらい取れるか
・夜勤の割合
・夜勤明けの次の日が休みか勤務なのか
これらの実態を確認しないまま、いざ働きはじめ、想定と違うと感じることもあります。たとえば、同じ「夜勤」だとしても、事業所によって業務内容や密度も様々です。業務量に対しての人員の数や、要介護度のバランスなどによって業務量や業務内容、残業量などは大きく変動します。
そのため人手が足りない事業所では、想像していたよりも激務になる場合もあります。
月収や年収アップは転職の大きな動機の一つです。ですが給与だけにフォーカスしてしまうと長続きしないケースが多いです。
「基本給は高いけど残業代の支給が無く、残業が多すぎてしんどい」「給与で決めてしまったが一人あたりの負担が大きく、前の職場の方が良かった」などの声が数多くあります。
※給与に関する参考記事:介護職の年収・給与をチェック!~統計から見る介護職~
上司や同僚との仕事の進め方の不一致や指導が厳しいなど、ミスマッチが一定数あります。
もちろん面接時にそれを察知出来ればよいですが実際に働いてみないと、上司との相性や、他に頼れる人がいるかなどは分かりません。仮に上司は良い人でも、事業所の方針に納得がいかない場合もあるでしょう。
※人間関係で悩んだときの参考記事:介護職員同士のコミュニケーションを見直そう!~福島見容さん(株式会社みらいびと)インタビュー~
では、転職を考える時に抑えておきたいことはどんなことでしょう。
待遇/勤務時間/上司のパーソナルタイプ/同僚の年齢層/自宅からの距離/職場の風土/大切にしている介護観など、自分にとって譲れない要素を事前に洗い出し、優先順位を決めておきましょう。
紙に書き出してみたり、友人に相談してみたり、違う施設の話を聞いてみたり、キャリアコーディネーターに相談してみたり、自分自身で考えつつ、様々な人に話をしていくことでより自分にとって譲れない要素がわかってきます。
※譲れない要素を定めつつ転職を計画的に進めるための参考記事:介護の転職活動スケジュール~転職活動開始から内定までの流れ~
面接での責任者とのやり取りで、一緒に働く人の人柄や施設を運営する法人の全体の文化などを完璧に掴むのはハードルが高いです。勤務する施設での面接であれば、その際に見学を希望して一緒に働く人や、業務内容を見てみるのが大切です。
出来れば年齢や性別など境遇が近い職員の方に、勤務実態や待遇面での不満はないか、有給・福利厚生などについて聞いてみるのもおすすめです。イメージがかなり具体的になると思います。
また、面接時に「◯時までには終業したい」「◯曜日は定時退社を厳守したい」「産休・育休後の復職は可能か」「日勤だけは可能か」「マイカー通勤をしたい」など、求人に未記載の部分で希望がある場合は、面接段階でしっかり伝えましょう。
絶対的に難しい希望に関しては、事業所側もハッキリ「難しい」と伝えてくれると思います。もちろん、希望が人それぞれ千差万別なのと同じように、事業所ごとに抱えている課題・メリットなどもそれぞれ異なります。
資格取得につながる、長く働く仕組みづくりが出来ている、など、その事業所で考えられるメリット・デメリットを一つ一つ書き出し、複数の事業所を比較し天秤にかけることも重要だと言えます。
※面接時の参考になる記事:介護職の面接でよく聞かれる質問と回答例~コーディネーターが解説~
労働条件通知書とは、雇用契約を結ぶ際に雇用主から労働者に書面・文書で通知する義務のある事項が記載されている書類です。
基本的な始業・終業時間、休憩時間、みなし労働時間の有無(有りの場合、その時間)休日、有給の日数、給与や手当の計算方法などが記載されており、ここに記載されているものと実際の労働実態が違う場合は、労働基準監督署からの指導や罰則を受けることがあります。
サインや印鑑が必要となることが多いため、雇用主と労働者の契約書というイメージです。
ですが、この書面を渡されるのは就業日初日が多く、オリエンテーションに入る前に現住所や電話番号確認の書類、交通費申請などの書類と共に「今サインしてください」というケースが多いです。ですので、労働条件通知書は入社日より前に目を通しておきたいところです。
労働契約の締結は、あくまで入社日であるため、「事前に送ることができない」と言われる可能性はありますが、確認したい旨をきちんと伝えれば、書面でなくてもデータなどで送付していただけるケースもあるので相談してみましょう。
離職率は全体の職員の中で、一年間にどのくらいの職員が退職する割合を指します。介護業界の水準において、離職率はだいたい20%前後であると言われていています。30%を超えると少し注意が必要で、中には50%に近いところもあったりします。
もちろん面接時に「一年間で辞めていく方はどのくらいですか?」と聞いても良いですが、懐疑的な質問であんまりいい印象与えないのではないかと感じてなかなか聞きづらいと思う方もいるかもしれませんが、大事なことですので臆せず質問しましょう。
職員数が少ないのに3割近くの人が毎年入れ替わっているということは、そのぶんの理由があるはずです。
・譲れない条件を洗い出す
・希望に見合う事業所を最低三社は比較してみる
・面接を含めて事前にコミュニケーションをしっかり取る
・施設見学を希望して事業所の雰囲気を事前に見ておく
・労働条件通知書を事前に目を通したい旨を伝える
・重要視する希望があれば事前に伝えておく
介護業界は人手不足のところが多く、採用する側も希望に合う人材の応募があれば早く採用を確定したいところです。
内定をもらってから比較をするのでは遅いので、応募する段階で「自らも事業者側を面接している」という気持ちを頭の片隅に置いて、色んな事業者を見ておけばリラックスして転職活動にはげめると思います。