介護事務は一般の事務とは違う?介護事務に必要なスキルや資格をご紹介

2021-10-21 21:09:44

介護施設の仕事に興味があるものの、介護技術に自信がないため転職に躊躇されている方もいらっしゃるでしょう。

介護施設では、介護サービスを提供する介護職以外にも活躍している職種は多数あります。その中で、今回紹介するのは介護事務についてです。介護施設の事務業務や請求業務、電話対応や来客対応などを担うのが介護事務です。

介護事務へ転職を希望する方は「どのような知識やスキルが必要」「必須の資格はある?」「仕事内容について詳しく知りたい」など、様々な疑問があることでしょう。そこで、介護事務の仕事に興味がある方に向けて、それらの疑問について解説をしていきます。

 

 

介護事務とは

介護事務とは、介護施設における事務全般を担う仕事です。介護施設は介護保険制度に基づいて、介護を必要とされている利用者に介護サービスを提供しています。介護事務は介護保険にかかわる請求業務、来客対応や電話対応、物品購入などの業務を行います。

介護事務に転職するためには、どのようなスキルや資格が必要なのでしょうか。それらについて詳しく解説していきます。

 

 

保険や介護に関する事務業務

介護施設は介護保険に則り、介護サービスを利用者に提供しています。その介護サービスの対価として介護施設は、介護報酬を得ています。介護施設が介護報酬を得るためには、介護給付費明細書を国民健康保険団体連合会に提出しなければなりません。

この介護給費明細書はレセプトとも呼ばれ、介護事務はレセプトの作成を行います。

レセプトの作成には、ケアマネジャーが作ったケアプランと、利用者に提供したサービス記録との突き合わせが必要です。提供された介護サービスについて介護事務は、ケアプランに則ったものか、介護保険制度内であるかなどを確認し、レセプトを作成しなければならないからです。

作成したレセプトに不備があると介護報酬を得られなかったり、入金が遅れたりします。すると介護施設は、施設運営に対して大きなダメージとなるでしょう。

そのため、多くの介護施設ではこのような事態を避けるためにも、介護ソフトを導入しています。介護ソフトを導入するメリットはミスを軽減する以外にも、レセプトの作成を効率的にできる点です。

介護ソフトは介護事務にとっては、仕事をするためには重要なツールです。介護事務に転職を希望する場合には、介護ソフトを導入しているかどうかのチェックは欠かさずしましょう。

 

 

介護事務になるための必要な知識やスキル

介護事務は、業務を行うために必須の資格はありません。そのため、特に資格がなくても転職できる可能性はあります。

しかし介護事務が作成するレセプトは、介護施設にとって運営にもかかわる重要な仕事です。そのため介護保険に関する知識を保有していることが証明できれば、転職の際に有利となるでしょう。

ではどのようにすれば、介護事務に関する知識を証明できるのでしょうか。それはやはり、関連する資格を取得することです。介護事務へ転職を希望される方にとって、有利となる資格やスキルを紹介していきます。

■介護事務に関係する資格

介護事務が作成するレセプトは、施設運営にかかわる重要なものです。施設運営者の視点から考えてみると、大切な仕事を任せる介護事務には、関連する資格を取得していると安心できますよね。

介護事務の関係する資格には、「介護事務管理士」「ケアクラーク技能認定試験」「介護報酬請求事務技能検定試験」などがあります。これらのいずれかを取得することで、介護事務として転職する際に役立つでしょう。

■経理業務に役立つ資格として

介護事務だけではなく、事務系の職種全般に役立つ資格として「簿記検定」があります。簿記検定では、帳簿管理についての知識やスキルが身につくでしょう。

■パソコンスキル

介護事務はレセプトを作成するためには、介護ソフトを使える必要があります。また、通常の事務業務においてもWordやExcelなどのパソコンスキルが必要となるでしょう。そこで、パソコンスキルや知識の向上に役立つ資格が「MOS」です。

MOSとはマイクロソフトオフィススペシャリストのことで、WordやExcelに関するスキルを証明できる資格です。パソコン操作をする仕事が多い介護事務にとって、仕事の効率性を向上させるためにもMOSはオススメの資格となります。

■介護職についての知識やスキル

介護施設へ勤務するためには、介護職についての基本的な知識やスキルを有していることが望ましいです。利用者に対して介護サービスを提供する介護職は、どの介護施設においても主要な役割を果たしています。

介護事務として勤務する場合でも、業務を遂行するためには介護職とのコミュニケーションが欠かせません。円滑なコミュニケーションや介護職との業務連携のためにも、介護職についての基本的な知識やスキルは役立つことでしょう。

介護職としての基本的な知識やスキルを身につけるためには、「介護職員初任者研修」がオススメです。介護職員初任者研修を修了すれば介護事務だけではなく、介護職としても転職できるようになります。

 

 

業務内容

介護事務はどのような業務を日々こなしているかご存じでしょうか。介護事務へ転職を希望される方のために、介護事務の業務内容について解説していきます。

 

 

電話・来客応対

一つ目に紹介する介護事務の仕事内容は、電話対応や来客対応についてです。

介護事務は、一般的な事務業務を行うことも求められます。その代表的な業務は電話対応や、来客対応です。これらは「施設の顔」としての役割があります。取引先や、利用者のご家族に対して失礼のないように、介護事務にはビジネスマナーやコミュニケーションスキルが求められます。

 

 

勤怠管理

二つ目に紹介する介護事務の仕事内容は、勤怠管理についてです。

勤怠管理は、職員への適切な賃金を支払うために欠かせない業務です。始業や終業の時刻、業務形態、時間外労働や有給休暇取得状況など、職員の勤怠状況をチェックします。

介護施設の勤怠管理で難しい点は、入所施設では24時間体制の勤務や、訪問介護では訪問時間に合わせた出勤など確認業務が煩雑になりやすいことです。これらを適切に処理するためにも、介護事務はソフトを適切に使えるパソコンスキルが必要となります。

 

 

備品の管理

三つ目に紹介する介護事務の仕事内容は、物品の管理についてです。

介護施設では介護用品をはじめ、様々な物品が使用されています。それらを管理することも介護事務の仕事です。具体的には、新たな備品の購入、壊れた際の修理依頼、予算の編成などがあります。

介護用品を適切に管理することで、介護職は介護に専念できるでしょう。このように、介護職をサポートできることも介護事務の魅力です。

 

 

請求書の作成

最後に紹介するのは、介護事務として大切な仕事である請求書の作成です。

介護施設は介護報酬を受け取るためには、利用者と国民健康保険団体連合会のそれぞれに請求する必要があります。そのため介護事務における請求書の作成は、主に「介護給付費請求」「利用者へ利用料の請求」の二つです。

介護報酬を受け取るまでには、レセプトと呼ばれる介護給付費明細書と介護給付費請求書を介護事務が作成し、国民健康保険団体連合会へ提出します。これらが介護給付費請求業務です。この業務に大切なことは、間違いのない正確性と、提出期限を厳守できるスケジュール管理です。

レセプトに不備がある場合や、提出期限に間に合わない場合は、介護報酬の入金が遅れることや最悪の場合は支払われません。施設運営において入金の遅れは大きなダメージとなります。責任も重大である一方で、運営資金にかかわる業務であるためやりがいのある仕事にもなります。

介護施設は介護報酬のすべてを国民健康保険団体連合会へ請求するわけではありません。介護保険には自己負担割合に合わせて、介護施設は利用者へも利用料を請求します。

そこで、介護事務が行う利用者への請求業務です。この請求過程で不備があると、利用者やご家族からのクレームにつながり、施設の信頼問題となります。請求金額に間違いがないように、介護事務には提供された介護サービスや各種制度の把握が求められます。

 


介護の職種について

介護施設には様々な職種が勤務しています。その中でも介護事務は、介護報酬や施設運営に携わるため重責があり、やりがいのある仕事です。

介護事務の主な仕事内容は以下となります。

・レセプトの作成

・電話、来客対応

・備品の管理

・勤怠管理 等

介護事務には必須の資格はありません。しかし、介護事務へ転職を希望する方は、関係する資格を取得していれば転職に有利となるでしょう。介護事務に、関係するいくつかの資格を紹介します。

・介護事務管理士

・ケアクラーク技能認定試験

・介護報酬請求事務技能検定試験

介護事務は、レセプトを作成するだけが仕事内容ではありません。そのため介護事務に必要なスキルは、パソコンスキルや、ビジネスマナーやコミュニケーション能力、簿記に関する知識など多岐にわたります。

それらの知識やスキルに自信があれば、転職での自己PRに役立つでしょう。また、自信がない場合でも転職した後に、就業しながらスキルや知識を向上させることは可能です。それらについての研修や資格はたくさんありますので、自分に必要なスキル習得に向けて自己研鑽に励みましょう。