介護職の面接で退職理由を聞かれたときの伝え方

2020-03-06 15:08:30

人と接する仕事である介護職では、履歴書や職務経歴書などをもとにした書類審査よりも、その人の「人柄」がよく分かる「面接」を重視する傾向があります。特に、転職の場合には「転職理由」や「退職理由」は面接で必ず聞かれる項目のひとつです。面接の際に、「転職理由はなんですか?」、「なぜ前の会社を退職したのですか?」と聞かれて慌ててしまったり、面接官にマイナスの印象を与えてしまうような答え方をしたりすることがないように、あらかじめきちんと答えを準備しておくことをおすすめします。

そこで今回は、介護職の面接で退職理由や転職理由を聞かれた時の答え方について、詳しく解説していきます。

マイナスな印象に…退職理由のNGな伝え方って?

介護職への転職の際に、面接で必ず聞かれる質問のひとつが「退職理由」です。既に会社を辞めている場合には「なぜ退職したのか」、働きながら転職活動をしている場合には「なぜ転職しようと思ったのか」ということを、採用する側は必ず質問してきます。なぜなら、その答え方ひとつでその人の「人となり」を知ることができるからです。

「ブラック企業だった」、「パワハラがあった」など前職の悪口に聞こえてしまうような理由や、他の人を責めているように聞こえる理由は、自分自身の印象を悪くしてしまいかねませんので、注意が必要です。退職理由や転職理由を答える際には、ネガティブな言葉を使わないように気をつけましょう。

介護職の退職理由では何を見られている?

介護職の採用担当者は、「退職理由」の答えによってどのような部分をチェックしているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

すぐに辞めてしまわないか

採用する側にとって最も痛手なのが、せっかく採用した人がすぐに辞めてしまうこと。採用担当者は介護職の面接の際に「退職理由」を尋ねることで、その人がすぐに辞めてしまいそうな人なのか、長く勤められそうなのかを見極めるのです。

前職の批判をしたり他責にしたりする回答をする人は、「同じ理由ですぐに辞めてしまいそう」と判断されてしまいます。ネガティブな理由ではなく、前向きな理由で退職をするということを伝えると良いでしょう。

介護の仕事への興味・覚悟

介護職は人手不足ですが、だからと言って誰にでもできる簡単な仕事ではありません。人を相手にする仕事ですので、高いコミュニケーション能力と忍耐力が求められます。「どこでもいいから働きたい」という安易な考えの人を雇うわけにはいかないため、退職理由を尋ねることによって介護職に対する興味や覚悟を見るのです。介護職への興味や働きたいという意欲があるという旨を退職理由の中で説明できると良いでしょう。

仕事への意欲や取り組み方はどうか

介護職というのは楽な仕事ではないため、離職率が高いのが現状です。採用担当者は退職理由を質問することによって、仕事に対する考え方、意欲や取り組み方を知り、少しでもモチベーションの高い人材の確保を目指します。

介護職の面接で退職理由を伝えるときのポイント

では、実際に介護職の面接で退職理由を尋ねられた場合、どのように答えたらよいのでしょうか。伝え方のポイントを詳しく見ていきましょう。

嘘の内容は伝えない

自分を良く見せたいからといって、事実を誇張して伝えたり、嘘をついたりするのはおすすめできません。細かい部分を突っ込んで質問された際に矛盾が生じたり、答えに詰まったりしてしまうため、退職理由は正直に伝えるようにしましょう。

やる気や熱意が伝わる理由に言い換える

退職理由を伝える際には、ネガティブな言葉ではなく、やる気や熱意が伝わるようなポジティブな言葉を意識して使うようにしましょう。

今後自分がどうしたいかを明確にする

退職理由を伝える際には、今後自分がどのようなキャリアプランを描いているのか、新しい職場で自分がどのように成長していきたいのかを明確にしたうえで、一貫性を持って答えられるようにしておくことが大切です。

介護職のよくある退職理由と印象が悪くならない伝え方

介護職の面接で退職理由を聞かれた場合には、できるだけポジティブな伝え方をすることが大切ですが、実際の退職理由は必ずしもポジティブな内容ばかりとは限りません。では、よくある退職理由をどのようにして伝えていけば良いのでしょうか。印象が悪くならない伝え方のポイントを詳しく見ていきましょう。

労働環境や待遇への不満が理由の場合

「残業が多い」、「給料が少ない」といった労働環境や待遇への不満が退職理由の場合も、そのまま伝えてしまうことはNGです。「仕事に対する評価をきちんとしてもらっていたが、より前向きに仕事に取り組むために環境を変えたい」という意思を伝えるようにしましょう。

施設の理念や運営への不満が理由の場合

施設の理念や運営に対する不満が退職理由の場合には、その内容を伝えるのではなく、「仕事をする上で自分が大切にしていること」、「どのように成長していきたいのか」など前向きな思いを伝えたうえで、それを新しい職場で実現していきたいという熱意を伝えましょう。

職場の人間関係が理由の場合

職場の人間関係が理由の場合は、「どのような部分に問題を感じていたのか」、「それを解決するためにどのような努力をしたのか」ということを論理的に説明し、その上で新しい職場でどのようなことを大切にして働きたいのかを伝えましょう。

身体的負担が理由の場合

介護職というのは基本的に体力勝負の仕事ですので、「体力的に大変だった」というように身体的な負担を退職理由にしてしまうと、採用する側は「うちでも無理じゃないだろうか」と心配になってしまいます。そうした不安を取り除くためには、なぜ体力的に大変だったのかという理由を丁寧に説明することが大切です。

当初聞いていたよりも夜勤や残業・休日出勤が多く、身体的な負担があったものの、「介護職に対する熱意はある」ということをきちんと伝えましょう。

介護職の面接を控えている方で、退職理由にお悩みの場合には、ぜひ上記内容を参考に準備をすすめていってください。