デイサービスの仕事内容とは? 必要な資格や働き方について

2020-10-19 09:20:18

自宅で介護を受ける高齢者の生活をサポートするデイサービスは、高齢化が進む現代の日本において大変需要の高い施設のひとつです。基本的には通所型の施設で、特養や老健といったその他の介護施設とは目的や仕事の内容が大きく異なります。そこで今回は、デイサービスの仕事内容やデイサービスで働くために必要な資格などについて、詳しく解説していきます。

デイサービス(通所介護)とは

デイサービス(通所介護)というのは、要介護認定を受けた方なら誰でも利用することができるサービスのことで、一般的にはその介護サービスを提供している施設のことを意味します。在宅介護を受けている方が、自宅での生活を続けていけるように身体機能を維持・向上するためのさまざまな訓練を行なったり、利用者の家族の精神的・肉体的な負担を軽減したりすることがその主な役割です。

デイサービスは3時間から9時間程度の短時間、その施設に通ってサービスを受けるのが原則で、宿泊することはできません。ただし、施設によっては介護保険適用外の自費サービスとして、宿泊に対応しているところも珍しくありません。

また、デイサービスと同じく通所型の事業所ということで混同されがちなものに、「デイケア」がありますが、デイケアはデイサービスと比べて「機能回復を目的としたリハビリ」がメインになっているという違いがあります。

デイサービスの仕事内容

デイサービスで働く介護職の仕事は、大きく分けて「送迎」、「介護」、「機能訓練」の3つに分類されます。それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。

送迎

デイサービスは通所型の施設ですので、利用者は自宅から施設まで通う必要があります。その送迎を行うのもデイサービスで働く介護職の方の大切な仕事のひとつです。利用者一人ひとりの自宅まで迎えにいき、帰りも自宅まで送り届けます。送迎の際には、施設側が用意したワンボックスカーなどを利用するため、デイサービスの求人では普通運転免許が必須のケースがほとんどです。

介護

デイサービスで提供している介護サービスの中でも、特に大切なのが入浴と食事の提供です。利用者の多くは自力で入浴をすることが難しいため、その介助を行います。また、施設で提供される食事は昼食とおやつが一般的で、利用者一人ひとりに合わせて調理されたものが出されます。入浴や食事の介助だけでなく、排泄介助など、日常生活を送る上で欠かせない活動に対してサポートを行っていくのがデイサービスの主な仕事です。

機能訓練

デイサービスでは、利用者が自宅での生活を少しでも長く続けていけるように、機能の向上・維持を目的とした訓練も行っています。体操やレクリエーションなどさまざまなプログラムによって、楽しみながら取り組めるように、介護士はそのサポートをしていきます。

デイサービスの仕事の流れと働き方

デイサービスの仕事は、朝、利用者を自宅まで迎えに行くことから始まります。施設によっては、送迎の前にスタッフのミーティングなどを行うところもありますが、お迎えは8時半ごろからスタートしているところが多いようです。利用者を迎えに行って施設に着いたら、次は利用者一人ひとりのバイタルチェックを行い、その日の体調を確認します。

多くの施設では午前中に入浴時間を設けているため、希望者を対象に入浴の介助を行なったり、排泄の介助が必要な方のお手伝いをしたりすることも大切な仕事です。昼食時には食事が提供されますので、一人ひとりの状況に応じて食事の介助、食後の口腔ケア、嚥下機能向上のための口腔体操などを行います。

午後は、1時間ほどかけてレクリエーションを行いますが、カラオケや囲碁、将棋、俳句、習字など、複数のプログラムが準備され利用者がめいめいに楽しむという形が一般的です。また、身体機能の衰えを防ぐために、ゲームや体操を取り入れた訓練を行います。

帰宅時間が来たら、再び施設の車で利用者を自宅まで送迎し、その後は施設の掃除、洗濯、ミーティングなどが行われます。勤務時間はシフト勤務か固定制勤務かによっても異なりますが、1日に行う仕事が決まっているため残業等が少ないのが特徴です。

デイサービスで働くには資格は必要?

デイサービスは資格を持っていなくても働くことができるため、未経験の方でもチャレンジしやすい仕事のひとつです。とはいえ、デイサービスの事業所によっては、有資格者が優遇されるところも多いため、働きながら経験を積んで、「介護職員初任者研修」や「実務者研修」、「介護福祉士」といった資格取得を目指すのがおすすめです。

資格を持たずにデイサービスで働く場合には、その事業所が資格取得やスキルアップを積極的にバックアップする体制があるかどうかも事前に確認しておくと良いでしょう。

デイサービスで働くにはどんな人が向いている?

デイサービスは特別養護老人ホームなどの施設と比べると、比較的自立度の高い利用者が多いのが特徴です。そのため、デイサービスで働く場合には、まず人と関わることが好きであるということが大切になります。

また、レクリエーションなどでは一度に複数の方を相手にすることもあるため、利用者一人ひとりにしっかり目を配り、臨機応変に対応できる細やかさと柔軟さも必要です。利用者のなかには、気分転換や家族以外の人との会話を楽しみにデイサービスへ通っている方もいますので、いつでも笑顔で親しみやすい対応ができるのが理想的でしょう。

デイサービスは介護業界が未経験の方でもチャレンジしやすい仕事のひとつです。働きながら経験を積み、スキルアップや資格取得を目指すこともできるため、介護業界での仕事に興味のある方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。